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「苦情電話はすぐ切るガチャン」熊出没の駆除問題、命懸けでもたった8500円“ 猟友会の苦悩”

週刊女性PRIME / 2024年12月4日 15時0分

住宅地だからといってクマが現れない保証はない

 昨年夏に大きな注目を集めた、北海道の巨大ヒグマ『OSO18』。北海道の東部で牛を襲い続けたが、最終的には駆除され、その肉がジビエとして流通したことも話題になった。OSO18に限らず、ここ最近は熊に関するニュースが後を絶たない。

 今年11月30日には、秋田県のスーパーに熊が侵入。男性従業員を襲い、その後、店内に“立てこもり”続け肉売り場を荒らし、12月2日、罠によって捕獲駆除されている。

悩ましい“熊擁護”の意見

 熊の出没とそれに伴う“駆除”に関しては、SNSなどでさまざまな声が入り乱れている。《もちろん命は大事だけど、仕方ない面もある。危険なんだから駆除は当然でしょ》《熊に関しては危険すぎる。かわいそうなんて言ってられないよ》という意見も多い一方で、

《駆除っていうのは殺処分ってことでしょ。さすがにかわいそう》

《どうにかして共生する手立てはないのか。殺しちゃうのはちょっと……》

《熊だって豊富な餌とか住処があれば人の住むところに来ない。人間のエゴな気がする》

 と、“熊擁護”の声も少なくない。

「熊が多く出没する地域では、駆除否定派の意見に頭を抱えているようです。昨年10月23日におこなわれた秋田県知事の会見では、“人命最優先”の対策をとることを表明。熊の駆除に対しては抗議の電話もあるようですが、これについては“すぐ切ります。ガチャン”“(苦情に)つき合ってると仕事ができない。業務妨害です”など、きっぱりとした態度を示していました」(地方紙記者)

猟友会に同情の声

 秋田県では、昨年10月にも熊の“立てこもり事件”が発生。作業小屋内に侵入していた熊3頭が捕獲・駆除されている。このときは地元猟友会の援助もあり駆除に成功したが、猟友会をめぐる環境も変化しつつあるという。

「今年の11月14日には、北海道の猟友会が“自治体からのヒグマ駆除の要請に原則応じない”という方針を検討していることが明らかになりました。この方針の背景には、2018年に北海道砂川市の猟友会男性が猟銃所持の許可を取り消された問題があります。この男性は、市に依頼されてヒグマを駆除したにも関わらず、“銃弾が住宅に届く恐れがあった”として猟銃所持の許可が取り消しに。提訴したものの、今年10月18日の第二審で男性の訴えが退けられています」(同・地方紙記者)

 この状況には、《依頼されて駆除したら免許取り消しって、そりゃあ猟友会も協力できないよね》《撃たないと駆除できないのに、撃ったら取り消しって、おかしな話だよ》と猟友会に共感する声が続出している。さらに今年5月には、北海道奈井江町の猟友会が“報酬が安すぎる”として出動を辞退したケースも。この時提示された日当は8500円で、発砲した場合は1万3000円に増額されるというが、《命を懸けて駆除してこの値段か》《こんなに危険な仕事でこの報酬は安すぎる》と、猟友会の扱いを嘆く意見も少なくない。

 地域によっては、どうしても避けて通れない熊の問題。人命がかかるだけに早急な対応が求められるが、今後もしばらく議論は続いていきそうだ。

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