「気づけばクラスで孤立していた」井上咲楽が赤裸々に語る“自己肯定感の低さ”と“生きづらさ”
週刊女性PRIME / 2024年12月21日 11時0分
数多くのバラエティー番組に出演するタレントの井上咲楽。一昨年からは『新婚さんいらっしゃい!』(テレビ朝日系)のアシスタントMCにも抜擢され、活躍の場を広げている。そんな彼女が半生を赤裸々につづったエッセイ『じんせい手帖』(徳間書店)を発売。『週刊女性』だけに「ひねくれた」一面を明かしてくれた。
気づけばクラスで孤立していた
「発売されるまで、読まれるの恥ずかしいなと思ってたんです。びっくりされるんじゃないかとか、想像していたのと違うと思われるんじゃないか、という怖さはすごくありました」
『新婚さんいらっしゃい!』のアシスタントMCやバラエティー番組への出演、そしてマラソンやトレラン、選挙ウォッチ、料理本など、幅広い活動を続けるタレント、井上咲楽。
半生をつづった初のエッセイ『じんせい手帖』(徳間書店)が、今、注目を集めている。“笑顔で明るく、いつも元気”というイメージが強い彼女だが、この本ではテレビに出演しながらも抱えてきた不安や悩み、自己肯定感の低さや生きづらさなどが赤裸々に記されている。
《躓きが1つあると、「私なんかもうダメでございます」みたいなネガティブモードに入ってしまう。「人生が思うように進まないんです。私、どうしたらいいですか?」と本当に面倒くさいやつになってしまうのだ》(『じんせい手帖』より、以下同)
素の自分は「コミュ障でネガティブ」という彼女。本の中で特に読者の反応が心配だったのは高校時代の話だという。高1のときに『ホリプロスカウトキャラバン』で特別賞を受賞し、芸能界デビュー。
自然豊かな栃木県益子町の実家に暮らしながら高校に通い、週1ペースで東京での芸能活動も並行していた時期だ。毎日学校に行けている状態が恥ずかしく、
《気まぐれで、超いじっぱりで、へそ曲がりになっていた。(中略)気づけば私はクラスで孤立していた》
これまであまり語ってこなかった、高校生タレント時代の心情。だが、「今となっては深掘りしてよかったと思う」と。
「高校の話に限らず、“そういえばこうだった”と突然思い出すこともあって。今回こうして振り返らなければ、自分の中ですり替えて記憶していたかもしれないので、いい機会をいただけたなと思います」
高校当時の心境も思い出したという。
「芸能界に入って自分はまともじゃないって気づいて、まともな人間になりたいと思ってたなとか、また新たに記憶がよみがえってきました。実は今、一番お世話になった担任の先生に、この本をどう送ろうか悩んでいて。その先生は私の変人っぷりをいろいろ知っていると思うので、また違うエピソードが届くかも(笑)」
本にはもうひとつ、『新婚さんいらっしゃい!』で共演する藤井隆のスペシャルインタビューも掲載されている。帯には、
《(咲楽ちゃんの)話の向こう側に、内面にある硬質でゴツゴツしたものを感じるんですよね。僕はそこがすごく魅力的だと思っています》
という藤井の言葉が。
「まさか受けていただけると思ってなかったので、とってもうれしかったです。藤井さんは大先輩で本当にすごい方なので、実は私のことをどう思ってるのか気になっていたんです。インタビューは“明るくて〜”みたいな内容かなと想像してたら、帯にもあるようなことが書いてあってびっくり」
ひねくれた感じは一生変わらない気も
発売イベントではサプライズで手紙ももらったという。
「翌日が『新婚さんいらっしゃい!』の収録だったので、私もお手紙を書いたんです。どのタイミングで渡せばいいかすごい悩んで恥ずかしかったんですけど、『何? 何?』って受け取ってくださって。お読みになったあと『ありがとう〜。泣いてしまうやんか〜』と言っていただきました」
また、印象的なのが日記やバレットジャーナルをつけているという話。“365日毎日のようにテレビに出ているタレントになりたい”など夢を書き込んできたバレットジャーナル。日記は中1からつけている。
《長続きのコツは、毎日書こうとしないこと。(中略)日記には、その日の出来事だけではなく、思ったことも書く。こんな気持ちになってヤバい、記さずにいられない!と全部を言語化してしまいたいという気持ちで書く。/感情は自分の中だけにあって、その時の自分にしか感じられないもの。それを記さないのはもったいないと思うのだ》
記録をつけることは昔から好きだった。
「夏休みの宿題の日記を早く書きたい子どもで。今日の分を書き終わったら、明日の分も明後日の分も早く書きたい!と思うようなタイプでした(笑)。手書きで可視化したいので使うのはノート。書いたことを頼りに後からいろんなことを思い出せるので、つけていてよかったなと思います」
最近書いた内容を聞くと、前日に行っていた台湾での話が。
「トレランをしている日本人の方を紹介されて会ったんですけど、“海外だと、日本にいるときより新しい人に会うことに対して自分は抵抗がないことに気づいた”とか。あとその方、『人見知りですいません』と言いつつ、『ここから自転車で10キロ移動します』と言って一緒に10キロ走ることになって。“人見知りとアクティブって相いれないものじゃないんだな。よく考えたら自分もそうだ”みたいなことを書きました」
各方面から引っ張りだこの人気者になった現在でも、
《あいかわらず内面ではぐるぐると考え込んでいる。/今が一番楽しい。そう感じているのに、ふとした時に不安になるし、苦しくなっている自分がいる》
と率直な気持ちを吐露する彼女。だが読者からはプラスな反応が多数寄せられている。
「読んだ人が自分のことをどう思うか気になってたんですけど。“こういうことを知れてよかった”などの感想をもらえて、すごくうれしかったです」
ちなみに、YouTubeチャンネル「井上咲楽」でおなじみのご家族からの感想は?
「特になく(笑)。普段から家族間で仕事の話をすることがそんなにないんですよ。母はたぶん読んでいると思うんですけど、感想を言ってくるようなタイプでもないので、“おめでとう”くらいの感じでした」
どんな年代でも、きっと共感できる箇所がたくさんあるこの本。最後に本誌読者へのメッセージをお願いすると。
「私のこのひねくれた感じは一生変わらない気もするんですけど……。でも“自分にもこんな時期があったな”とか、重ね合わせて読んでいただけたらうれしいです」
25歳の井上咲楽が自己肯定感の低さや生きづらさについて赤裸々につづったエッセイ。『じんせい手帖』(徳間書店)1760円
取材・文/今井ひとみ
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