「人前に出られない顔に」熊切あさ美、前触れなく起こる“目の腫れ”と15年以上続く慢性疾患
週刊女性PRIME / 2024年12月19日 18時0分
人前で笑顔を振りまくことが仕事の人たちが、突如、病におそわれたら―。彼らが感じた衝撃、絶望、そして未来の光とは。「同じ悩みを抱える人たちに、寄り添っていきたい」。本当に強い人たちの決意は、自分だけでなく、周囲も回復に導くかのよう。彼らからのエールに耳を傾けてみませんか。
こんな病気があることを多くの人に知ってもらえば
慢性的な疾患で仕事に影響が出てしまったのはタレントの熊切あさ美さんだ。
「収録や撮影をしているのにときどきまぶたが塞がるくらい目が腫れて、人前に出られない顔になってしまうんです」
40代でも現役でグラビア界に君臨し、撮影の仕事も多いが、目や唇が大きく腫れるとメイクで隠すにも限界がある。
「前触れがなく、突然腫れるので困っていました。最初に症状が出たのは28歳ぐらいのときなので、15年以上もこの病気と付き合っています。最初は目が腫れて、そのあと、唇も腫れるようになって、そのときはリップや歯磨き粉が原因だと言われました。疲れやストレスがたまることが原因のじんましんと診断されましたが、仕事が忙しくなると疲れやストレスに気づかないことも多いんですよね」
最初はクリニックでステロイドの注射や点滴を受けた。先日も朝起きると目が腫れており、クリニックでステロイドの点滴を打ってもらったが、そのときはいっこうに治らず不安になったという。
「お仕事もありますし、腫れがひかないことに焦り、大学病院で詳しい検査をしてもらうことにしたんです。そこで告げられた病名がクインケ浮腫(血管性浮腫)でした」
クインケ浮腫とは、まぶたや唇が腫れるが、かゆみは伴わないのが特徴だ。一般的なじんましんの場合、数時間で消えてしまうことが多いが、クインケ浮腫は皮膚の深い部位で生じるため、回復までに時間がかかるケースも少なくないという。
「担当の医師は、強いステロイドを使うのではなく、弱めの薬からスタートして、大丈夫そうだったら強くしていきましょうという方針でした。今は様子をみながら、1週間ごとに薬を変えています。時間をかけて体質を改善していくことが大事だと聞いて納得できました。精神的にイライラしてストレスをためないよう漢方も処方してくださいました」
クインケ浮腫という病名を公表したことで、同じ病気の人とネットで情報交換ができるようになったことも「不安をやわらげてくれました」と語る。
「1人だと『このまま治らなかったらどうしよう』と落ち込んだりしますが、有効だった薬の名前を教えてもらったりして、支え合えるのが心強いです。クインケ浮腫が喉にできた場合は、息ができなくなるので、すぐに自分で救急車を呼んでください、と発信してくださる方もいらっしゃって勉強になりました」
今回はあまりにひどい腫れだったので怖がる人がいると思い、ブログやインスタグラムには写真を載せなかったという熊切さん。今回、目が腫れているときの写真を公開してくれた。
「私の写真を見ることで、クインケ浮腫に気づいていない人が『同じ症状だ』とわかるかもしれないと思いました。また、こんな病気があることを多くの人に知ってもらえば、周りから理解を得やすくなるかもしれません。痛みはなくても、これだけ腫れると人前に出るのがつらくなりますから」
今回は腫れがひくまで2週間ほどかかったが、強いステロイドに頼っていた治療を見直すきっかけになった。
「クインケ浮腫だと診断されなければ、ただのじんましんだと思って、今でもステロイドによる治療を続けていたと思います。同じ病気でもクリニックによって対処法が異なりますし、治療に不安を感じたら、ほかのクリニックを受診し、自分に合った治療法を見つけるのもいいと思います」
くまきり・あさみ 1980年生まれ、千葉県出身。'98年、アイドルグループ『チェキッ娘』のオーディションに合格し、デビュー。以降、多数のバラエティー番組などで活躍。俳優として、映画『悪い女はよく稼ぐ』('19年)、映画『愚か者のブルース』('22年)などに主演。舞台『志村魂』('06年、'07年)や『蒲田行進曲』小夏役('23年)でも評価される。'22年、17年ぶりとなる写真集『Bare Self』が3刷という近年まれに見る爆発的ヒットに。現在は『じっくり聞いタロウ』(テレビ東京系)レギュラー。『熊切あさ美2025年カレンダー』が好評発売中。
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