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キャベツの価格が戻るのは「もう無理」専門家が明かす価格高騰の内情と今後の展望

週刊女性PRIME / 2025年1月28日 8時0分

キャベツ不足で豊作といわれている白菜も値上がり傾向に。価格高騰の連鎖はどこまで……

「農林水産省が1月21日に食品価格動向調査の結果を発表しまして、キャベツの1キロあたりの小売価格が全国平均で553円になりました。これは平年の3・37倍です」

 こう語るのは、農業ジャーナリストの松平尚也さん。昨年から野菜、特にキャベツの価格高騰がニュースになり、1玉1000円を超えたと報じられたこともあった。

「カット野菜」の内情

「キャベツに関しては、昨年の夏と秋が非常に暑くて、特に関東では12月に雨が全然降りませんでした。

 育ちが悪くて出荷が減ったことと、雨が降らないとキャベツが養分を吸収しないので、病気になったりとさまざまな問題が出てくるんです。なので、市場には小玉のものしか流通しませんでした」(松平さん、以下同)

 そこで注目されたのが「カット野菜」。せん切りにされたキャベツを袋詰めにして販売しているのだが、

「サラダ用で、せん切りにされたキャベツを買う人が増えています。でも、このカット野菜に加工するには大玉のキャベツが必要なんです」

 中心の芯をくり抜き、外葉を取って加工するのだが、この工程を機械で行っていて、機械に対応しているのが大玉なのだという。そこで増えているのが、輸入野菜だ。

「食品メーカーさんが加工業務用の代替として、主に中国の山東省から輸入しています。もともと、私たちが食べているのは99%が国産のキャベツで、これまでは足りないときに輸入する程度だったのですが、この1月は、平年の10倍近くの輸入量になっています。

 中国でも気温が上昇傾向で、価格は平年の5割高くらいだったのですが、もともとが国産の半値ほどなので、少しでも量を多く、大玉を安く仕入れようと輸入に頼っている状況です」

メーカーも努力しているものの…

 これまでにないほどの価格高騰を続けるキャベツ。天井は一体、どこになるのか?

「3月頭から、春キャベツが出荷されるようになるので、そのころには少し落ち着いてくるとは思います。ただ、平年並みの価格というわけにはいかず、平年の2倍弱くらいで落ち着くのではないでしょうか

 カット野菜のメーカーも容量を減らしたり、輸入量を増やすことで価格を上げない努力はしているが、

そもそも、すべてのコストが上がっているんです。輸入にしても輸送にかかるガソリン代も上がっていますし、円安傾向も続いています。気候変動以外にもたくさん問題を抱えていて、これまで価格にそういったコストを乗せてこなかったということもありますが、もう限界でしょう」

 これまでの“当たり前”が通用しなくなっている、と松平さん。コストが上がり作り手の収入は減る、ということで平年どおりの価格にはすぐ戻らないだろうと予測する。

「日本では野菜に関して、指定野菜というものを14種類決めています。日本列島の地形を生かしてタイミングをずらして生育させ、年間通して出荷できるように“リレー出荷”をしているのです。

 キャベツもそのひとつですが、予測できない気候変動が相手では……。国や農家も高温に強い品種を栽培するなど、対策をしているのですが、変化のほうが早くて対応しきれていない状況ですね」

 食料自給率が38%と低い日本。気候変動の影響で、この自給率ももっと下がることになるのかも─。

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