終活を迎える女優・冨士眞奈美が「買取ショップ」にブランド品を持ち込み、まさかの査定価格
週刊女性PRIME / 2025年2月10日 16時0分
「気に入って買ったはいいけれど、どう処分すればいいかわからなくて。気がつけば私も80をとうに過ぎて、身の回りのものを整理整頓しないといけない年齢。きっと私みたいに悩んでいる人って多いと思うのよ」
そうポツリとこぼすのは、女優の冨士眞奈美さん。NHKの専属第1号俳優として数々のドラマ・映画に出演し、俳人、著述家としても活躍し続ける。
「昔、画家の山下清さんとテレビ番組で共演したことがあった。でも2年たっても名前を覚えてもらえなかったっけ。山下さんに色紙に花の絵を描いてもらったわ」(冨士さん)
そんなエピソードがひっきりなしに飛び出るほど交友は多岐にわたり、「いろいろなものを買ったし、頂いたし、捨てもしたわ」と微笑む。
思い出の品を売ることを決断!
「印象に残っているものほど家の中にあり続ける。やっぱり思い出や未練があるのね。でも、大したものはないけれど、どこかで決断しなければいけないから、手始めに数少ない貴金属類やバッグ類とサヨナラしようと思ったの。
ブランド物は興味がなくて、一時期凝ったのは傘くらい。でも傘はお金にならないでしょうしね」(冨士さん)
ベテラン女優のお片づけ──。そのサポートを買って出たのが、東京・新宿で長年、ブランド品・ジュエリーの販売、買い取りを行う『ブランド王ロイヤル』だ。同店の森田勉社長が、トレードマークの巨大リーゼントを揺らしながら合いの手を入れる。
「“ブランド王”“買取王”の名にかけて、誠心誠意、査定させていただきますよ~! お店もお客様もWin-Winになる。それがあるべき買い取りです。冨士さんにとっても思い入れのある品々ですから、納得がいかなければ無理に売る必要はありません。ご本人の意思を尊重することが大切です」(森田社長)
裏を返せば、それができないお店は信用してはいけないということ!
この日、冨士さんが持参したのは、ジュエリー、時計、バッグ、合わせて十数点。もっとも高価なものは30年ほど前、バブル景気の全盛期に数百万円で購入したエメラルドだそうで、そのエピソードはドラマのワンシーンのよう。
「(山城)新伍ちゃんが司会をしていた『新伍のお待ちどおさま』(TBS系)で、たびたび美輪明宏さんとご一緒した。この指輪は収録後、お遊びで買い物に付き合ってもらったときのもの。美輪さんは目利きだから」(冨士さん)
エメラルドの指輪が“傷物”の理由とは?
冨士さんは驚くほど記憶力がいい。だが、「私の記憶力がすごいんじゃなくて、それだけ周りにいた人たち、起こった出来事が鮮明だっただけ。特に美輪さんは素敵だし、お話もおもしろかったわ」と笑う。
モノとお別れするからといって、思い出までお片づけする必要はないのである。
そんなエメラルドを含めて、冨士さんが今回持参した指輪は、トータルで現在いくらになっているのか?
気になる査定額は、「うーん、申し訳ないのですが……」と、森田社長は購入したときよりはずいぶんダウンした額を提示。その理由をこう説明する。
「もったいないことに、石の端が欠けていたり、ヒビが入っているんですね。特にエメラルドは意外にやわらかい石で、傷がつきやすいんです。買い取りして、再び商品として陳列するためには、その部分を削り、再加工してひと回り小さいものとして扱うしかない」(森田社長)
その一方で、「こちらの18金のブレスレットは38万円になりますね」と告げられると、冨士さんは「そんなに高い値がつくとは思わなかった……」とビックリ。なんでも、現在、金の価格が上昇しているため高い査定額になったのだとか。
「確かにこのエメラルドは、一時期とても気に入っていて、キッチンで洗い物をするときにもつけていたくらい。ぶつけちゃったこともあったわ(笑)」(冨士さん)
「ジュエリーと一概に言ってもさまざま。状態はもちろん、ニーズがあるかどうかも大きな判断基準になるんです。ただ、相対的にジュエリーは人気のあるアイテムですから、家に眠っているものがあれば、眠らせておくのはもったいない!」(森田社長)
そう強調するように、例えばバッグは、ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスの三強以外は、どれだけ状態がよくても、あまりいい値はつかないそうだ。
「バッグには興味がなくて、三強は持ってないの」(冨士さん)
「みんなが欲しがるものに価値があるということなんです。ですから、時計もロレックスは高値で買い取りされますが、それ以外はあまり期待しないほうがいいでしょう。
ひと昔前に人気だった毛皮類も、動物愛護の観点からニーズが減っているため、高値で買い取りされることはほぼない」(森田社長)
タンスの中に眠っている“お宝”は多い
最初は緊張ぎみだった冨士さんも、森田社長の説明を聞けば聞くほど興味津々に。
「実際にお話を聞かないとわからないことだらけ。私は、ロレックスが地味であまり好きじゃないけど、妹にあげちゃった古い古い地味なロレックスのことを思い出して後悔した(笑)」(冨士さん)
「冨士さん、タンスの中に眠っているお宝という意味では、日本は世界屈指の宝石生産国なんです! その存在を忘れて処分してしまう人が多いので、元気なうちに家にあるものを見直すというのは大切なこと。冨士さんの判断は英断ですよ~」(森田社長)
「そう!? でも私の家はゴミ屋敷で散らかっているから、今は無理だけど(笑)。私の娘なんか『家もママもカビちゃってるから私は片づけたくない!』って言ってるわ(笑)」(冨士さん)
その言葉を聞いた森田社長。すぐさま、「自宅に来てもらうのは注意が必要」と助言を忘れない。
「業者を自宅に上がらせて査定させると、『あれもないか、これもないか』と言い出して、まとめて二束三文で買い取ろうとする不届き者もいます。
自宅で査定をする場合は、信頼できる人と一緒に。可能であれば、実際に買い取り店舗へ足を運び、いくつか回って比較するのが望ましい」(森田社長)
補聴器を新調、トイレの壁の修理も頼めた
また、商業施設の中にある店舗は安心感を感じさせるが、テナント代を支払っている都合上、その分、査定額に反映される傾向があるとも付け加える。「慎重なくらいがいいんです!」とリーゼントを振りながら森田社長が力説するように、十分に比較検討することも忘れずに。
「勉強になったわ。実は、最初はビクビクしていたの。買い取りって、怖い人が出てきて『どうするんですか? 売るの、売らないの?』って詰め寄られるかと思っていた。
でも、森田社長さんはもちろん、ここのお店の方は、私の話をきちんと聞いてくれて安心できた。だから、もし買い取りを検討している方がいたら、“きちんとムダ話も聞いてくれるかどうか”も大きなポイントだと思う」(冨士さん)
査定の結果、冨士さんは持参した品物のうち、約半分を買い取ってもらうことを決断。価格はトータルで200万円以上となった。
「自分の決断で取捨選択したから、気持ちがスッキリしたわ。持ち物を整理して売るなんて、これまでは恥ずかしいことだと思っていたけれど、もういらないもの、役に立たないものは、なんとかしなくてはね」(冨士さん)
後日、冨士さんに感想をうかがうと……。
「今回のお金でさっそく補聴器を新調したし、長年の課題だった、崩れたトイレの壁の修理も業者さんにお願いできた。うれしいわ」
冨士さんが振り返るように、モノを処分することは、そこに付随する思い出を再考する行為でもある。タンスから思わぬお宝が出てくるように、モノを処分することと向き合うことそのものが、幸せにつながるともいえる。
人生の整理整頓は、もっと楽しくやっていいのだ。
冨士眞奈美(ふじ・まなみ)●静岡県生まれ。1956年、NHKテレビドラマ『この瞳』で主演デビュー。’57年にはNHKの専属第1号に。俳優座付属養成所卒。俳人、著述家としても知られ、句集をはじめ著書多数。
森田勉(もりた・つとむ)●1945年、東京都生まれ。一流ホテル勤務を経て、’85年、不動産仲介業「ロイヤルシステム」設立。’95年、「ブランド王ロイヤル」を開店し、以後メディアにも多数登場するように。収益の一部を子ども食堂に寄付し、現在は「森田式少子化対策」の国家ビジョンを確立し、国とともに協議を行っている。
取材・文/我妻弘崇 撮影/渡邉智裕
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