「贈り物が患者を救う」皮膚難病患者や妊婦向け“チョコレート”を手掛ける医師の取り組み
週刊女性PRIME / 2025年2月13日 11時30分
「チョコレートを通じて、温かいコミュニケーションが生まれたらと思っています」
そう語るのは株式会社『Spin Life(スピンライフ)』代表取締役で医師の中村恒星さん。医師として働く傍ら、皮膚難病患者向けの完全栄養食チョコレートや、妊婦でも食べられるチョコレートの開発や販売を行っている。
食事が困難な患者のために研究
「学生時代、皮膚難病である『表皮水疱症』の患者と出会ったことを機に、完全栄養食で且つ彼らでも食べやすい食品を作ろうと思いました。というのも、この病気の患者は、皮膚の剥離と再生を繰り返すので、健常な人よりも多く栄養を摂取する必要があるのですが、口内や食道が傷つきやすく、食事が困難なんです。
そんな患者を目の当たりにして、闘病生活が少しでも明るくなればと思い、研究を始めました。コロッケやたいやき、フライドポテトなど、いろいろな物をミキサーにかけて試作品を作り、最終的にチョコレートにたどり着きました」(中村さん、以下同)
中村さんが開発した表皮水疱症患者向けのチョコレート『andew(アンジュ)』は口内への刺激を軽減するため、普通のチョコレートよりも溶ける温度を2℃低くしているそう。さらに、チョコレートは完全栄養食で、表皮水疱症患者が豊富な栄養をより手軽に摂取できるようレシピを工夫したという。
このチョコレートの販売が軌道に乗り出した頃、中村さんは新たな試みとして妊婦向けのチョコレート『Enchamble(アンシャンブル)』の開発に乗り出したそう。
「妊娠期に不足しがちな鉄や葉酸、ビタミンCなどの栄養素を含んだチョコレートを作りました。3粒食べれば1日分の十分量が摂取できます。妊娠は病気ではなく、むしろ喜ばしいことですが、妊娠期間は制約も多く、病気を持っている人と発生する制限はそんなに変わりません。足りない栄養を摂取するならサプリメントでもいいと思われるかもしれませんが、チョコレートならプレゼントもしやすいですし、そうしたことを通じてコミュニケーションに繋がればと思っています」
患者のコミュニケーションを重視する背景
中村さんは生まれつき心臓に病気があり、幼少期は入院や手術を繰り返したそう。この経験こそが、患者のコミュニケーションを重視する背景だという。
「手術や入院をすると、我慢しなければならないことはたくさんありますし、孤独感もあります。そんな時、誰かからプレゼントをもらったは、内容以上に嬉しいんです。病気を治すのは医者の仕事です。でもメンタル面は家族や友人の存在が大きいように思います。
何かをプレゼントすることは、メンタル的に患者を救うことになるので、大事なことです。もちろん普通のチョコレートでもいいんですけど、『妊婦さん向け』や『表皮水疱症患者向け』といった文言を見て、“贈り物をしよう”と思えるようなストーリーを作れたらいいなと思っています」
そんな中村さんは、来たるバレンタインに向け、ある取り組みを行うようだ。
「バレンタイン期間は売り上げの5%を表皮水疱症患者会へ寄付する予定です。“自分の大切な人のために買ったものが、知らない誰かのためになる”というのを、バレンタインのようなポジティブなイベントに違和感なく絡めたいなと思い、企画しました。支援しようとしてするのではなく、“たまたま誰かのためになっていた”くらいの方が、肩肘張らない気がしていいのかなと思います」
表皮水疱症患者や妊婦向けのチョコレートは、患者以外もおいしく食べられるという。この機会に、手に取ってみては――。
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