ブラックホール になりきって写真撮影...? 岩手の天文台にある斬新過ぎる顔出しパネルが話題

Jタウンネット / 2020年10月29日 21時0分

伊藤条太(@ItoJota1964)さんのツイートより

顔出しパネル......と聞くと、思わず顔をハメに行きたくなってしまう人は多いだろう。

地元の偉人や伝説のヒーロー、昔話のキャラクターになりきれる、記念写真を撮るには、絶好のスポットだ。

ところで、岩手県にある「ブラックホールの顔出しパネル」って、ご存じだろうか?

2020年10月28日、次のような写真付きのツイートが投稿され、注目を集めている。

こちらは、11月6、7日に卓球に関するトークライブを開催予定の卓球コラムニスト・伊藤条太(@ItoJota1964)さんが自身のツイッターに投稿したもの。

写真が、噂の「ブラックホールの顔出しパネル」だ。「M87中心の巨大ブラックホール」という説明がある。

顔を出しているのが、伊藤さん本人のようだ。顔の周りにボヤボヤとした赤っぽい影があるようにしか見えないが...いったいこれはどういうことだろう? Jタウンネット記者は、伊藤さんと、国立天文台水沢に、詳しい話を聞いた。

「科学者の遊び心に嬉しくなりました」


伊藤さんは、写真撮影時の状況をこう語った。

「撮影日は10月19日です。顔出しパネルがある場所は、国立天文台水沢キャンパス(岩手県奥州市)の『眼視天頂義室』あたりです。直径20メートルのアンテナが『ガーッ』と音を立てて首を振るのが遠くから見えましたので、それを近くで見ようと近づいて行ったところ、パネルが目に入りました」

突然、「ブラックホール」に遭遇した時、どう感じたのだろう。

「あまりのバカバカしさと同時に、この天文台の『見学者に何が何でも天文の魅力を伝えよう』という意気込みと、当然ながらユーモアも計算に入れている科学者の遊び心に嬉しくなりました。また、その熱量とは裏腹の絶妙に寂れた感じがまた風情がありました」

いかにも科学者らしいユーモアのセンスに、思わず引き寄せられてしまったようだ、ブラックホールだけに......。

いったいどういう目的で、この顔出しパネルは作られたのだろう。 Jタウンネット記者は、国立天文台水沢キャンパスに電話で聞いてみることに......。

岩手県奥州市の水沢VLBI観測所内にある20mアンテナ(Yauchiさん撮影、Wikimedia Commonsより)
岩手県奥州市の水沢VLBI観測所内にある20mアンテナ(Yauchiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

電話で答えてくれたのは、国立天文台水沢の広報担当者だった。

「私たちの天文台は、ブラックホールの輪郭撮影に世界で初めて成功した国際的なプロジェクトチーム(EHT)に参加しています。本間希樹(まれき)所長は、そのチームリーダーの一人として、観測提案書作成や装置開発、画像解析など、重要な役割を担いました。
その成果を一人でも多くの方に知っていただきたいと考え、2019年4月、ブラックホールの顔出しパネルを作成し、設置しました。昨年度の見学者は、例年の2倍に増えたと聞いています」

パネルになっているのは、このプロジェクトチームが発表した、おとめ座銀河団の楕円銀河M87の中心に位置する巨大ブラックホールの写真。

M87ブラックホールの観測・撮影に成功したことは、ノーベル賞級とも言われるほどの快挙だという。

ところで、ブラックホールって何だろう? そう思った読者もいるだろう。Jタウンネット記者もまったく同様だ。「ちょうど良い動画がありますから、ご覧ください」と広報担当者が教えてくれたのが、国立天文台水沢が制作した、次のYouTube動画だ。

動画の説明によると、ブラックホールというのは、高密度で、非常に重力が強いため光さえも抜け出せない「星」。その周りにはガスで出来た円盤が渦巻いているという。

つまり、顔出しパネルの穴があるところは、まさにブラックホール が映っている場所。周りの明るい輪のようなものは、ガスから発せられた電波のようだ。

よく聞く言葉ではあるが、実はブラックホール についてあんまり知らなかった、という人もいるだろう。興味を持った読者は、ぜひこれを参考にして、さらに勉強してみてはいかがだろうか。

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