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飛び出し坊や...ならぬ「飛び出しゾウや」 滋賀県多賀町に〝ピンクの象の群れ〟出現中

Jタウンネット / 2024年6月19日 14時0分

飛び出し坊や...ならぬ「飛び出しゾウや」 滋賀県多賀町に〝ピンクの象の群れ〟出現中

皆さんも一度は「飛び出し坊や」に出会ったことがあるだろう。

交通事故防止の注意喚起のために設置されている看板で、赤い上着に黄色いズボンを履いた男の子の姿をしていることが多いが......。

近江鉄道多賀線・多賀大社前駅(滋賀県犬上郡)にはこんな変わった「飛び出し坊や」がいるという。

かわいい!(画像はみぜっと(@bis80107146)さん提供、以下同)

ゾウである。その名も、「飛び出しゾウや」。

元々のデザインと同じく赤と黄色の洋服を着ているけれど、ゾウらしくしっかりと四足歩行しているのが何とも可愛らしい。

2024年5月19日にこの写真を投稿したのは、Xユーザーのみぜっと(@bis80107146)さん。

24日、Jタウンネット記者の取材に応じ、こう語った。

「全く知識がなかったので、見た時になんで象が改札に居るのか、さっぱり分かりませんでした。が、家に帰ってから詳細を調べて、なるほど納得しました(笑)」

......いったいどんな理由があるというのか? さっそく記者も調べてみた。

「日本古来のゾウ」が見つかった場所

実はこの多賀町では1993年に、日本古来のゾウ「アケボノゾウ」の全身骨格化石が発掘されている。そのことから「滋賀多賀ゾウの里」として知られているんだとか。

この時発掘された化石は町内の複合施設「あけぼのパーク多賀」内にある町立博物館に展示されており、22年3月15日には国の天然記念物にも指定された。ゾウが天然記念物に指定されるのは、日本で初めての快挙なのだとか。

......なるほど、だからゾウが。いやでも、だからってなぜ「飛び出し坊や」になっているの?

Jタウンネット記者は、5月30日、シガタガゾウのサト祭り実行委員会に話を聞いた。

改札にいる「飛び出しゾウや」

飛び出しゾウやが生まれたきっかけは、2023年3月18日~4月8日に行われていた「第1回シガタガゾウのアート展2023」だった。

同展は「アケボノゾウ」の全身骨格化石が国の天然記念物に指定されたことなどを受け、改めて「滋賀県多賀町がゾウの里として、国内外に周知されること」を目的に行われたもの。「アケボノゾウを自由に表現しよう!」をテーマに国内外から250点の作品が集まったという。

「ども!とびだしゾウやです」

その公募作品の1つ「アシタガゾウが生存する世界線」(坂本成志氏)に、飛び出し坊やのパロディ「飛び出しゾウや」は登場。アート展開催以降、多方面に事業を展開する中で、その人気が高まっていった。

児童たちと共にブランディング

「飛び出しゾウや」をこのまま埋もれさせてはもったいない――アート展のプロデューサー・神谷利男氏はそう考えた。

そこで、本家・飛び出し坊やの制作元でもある久田工芸(滋賀県東近江市)に依頼。公式「飛び出しゾウや」5体が制作されることになったという。

「この『飛び出しゾウや』を多賀町内でどのようにデビューさせるのか。多賀町立多賀小学校6年生51名、多賀町立大滝小学校6年生4名。あわせて55名の卒業生と共に、ブランディングに取り組むことになりました。
プロのデザイナーである神谷利男・坂本成志の両氏を講師に迎え、見せ方のヒントやデザインの話などを4回にわたり学び、議論してきました。
この成果を、2024年3月シガタガゾウ月間で発表。展示を、あけぼのパーク多賀で開催しました」(シガタガゾウのサト祭り実行委員会)

卒業生55名が考えた「飛び出しゾウや」のキャッチコピーは、"ゾウが逢い多賀ってる"だ。そりゃあ多賀までゾウに、逢いに行かなきゃね。

駅でも「逢い多賀ってる」?

また、公式の5体だけでなく、卒業制作として色を塗られた12体の「ミニ飛び出しゾウや」の一部もあけぼのパーク多賀での展示で一緒にお披露目されたとのことだ。

今後もどんどん「増殖」予定

小学校での取り組みでの児童たちの目的は、在校生や新1年生、まちの交通安全を願い地域貢献を目指すこと。そして、地域の宝「アケボノゾウ」を自分たちが知ること、町外にも広めることだった。

駅以外にも...(画像はシガタガゾウのサト祭り実行委員会提供、以下同)

そこで、シガタガゾウのサト祭り実行委員会は多賀町の鉄道の玄関口である「多賀大社前駅」に展示できないかと近江鉄道に打診。

近江鉄道社員と沿線住民が一緒に取り組み、沿線地域を盛り上げる活動を行なう「近江鉄道みらいファクトリー」が趣旨に賛同し、4月から「飛び出しゾウや」(公式5体とミニ12体)が展示されることに。

「飛び出しゾウやは駅員として安全を見守って立っています。
今後、『飛び出しゾウや』の本家『飛び出し坊や』と対面する予定で、久田工芸さんに発注しています。現在大変大人気で制作にとても時間がかかるそうで...対面出来る日がたのしみです」(担当者)

町の安全を守っている

飛び出しゾウやの展開は、まだまだこんなもんじゃない。

多賀町立博物館には「飛び出しゾウや」初号機(坂本氏作)が、多賀町役場正面玄関にはアケボノゾウ化石多賀標本(6分の1サイズのレプリカ)と一緒に1体が紹介されているし、6月中は、交通量の多い「多賀町土田南の踏切」の安全を願い、5体が設置される。

「夏休みには子どもたちの安全を祈って多賀町内各所に展示予定です」(担当者)

色とりどりでかわいい

町のみんなの、何より児童たちの想いを背負った「飛び出しゾウや」。会いたい方は、滋賀県多賀町へ!

いつか、町中に......いや、町を飛び出して県内外で見かける日も、やってくるかもしれない。

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