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1日2組しか入れない割烹旅館「常磐館」 100年経ても色あせない美しさにうっとり

Jタウンネット / 2024年6月23日 17時0分

1日2組しか入れない割烹旅館「常磐館」 100年経ても色あせない美しさにうっとり

2024年5月29日、Xに投稿された次のような写真に、Jタウンネット記者の目は釘付けになった。

「りせん*」さん(@mido25risen)の投稿より

写真に添えられた呟きには、「明治末期に雑貨商から転業し、今の建物は2代目が大正元年に旅館として改築したもの。応接室の天井に、磨き上げられた床、ほうとため息ばかり出ます」とある。

大正元年というと1912年、今から110年以上も前の木造建築だ。しかしレトロではあるものの、写真から古臭さは全く感じない。

投稿者によると、この建物は福岡県の筑豊地方南部に位置する嘉麻市の割烹旅館「常盤館」。

炭鉱で繁栄していた時代に造られた、贅を尽くした意匠が隅々に残されているという。

「常盤館」とはいったい、どんなところなのだろう?

Jタウンネット記者は、投稿者「りせん*」さんに詳しい話を聞いてみた。

大切な客人をもてなす場所だった

投稿者「りせん*」さんが、割烹旅館「常磐館」を訪れたのは2024年5月26日。

昼食をここでとるために、事前に予約をしていたという。

現地に到着し、戸を引いた瞬間に息を呑んだと語るりせん*さん。館内があまりに美しかったからだ。

「りせん*」さん(@mido25risen)の投稿より

奥へと続くのは、ぴかぴかに磨かれた床。りせん*さんは同館の女将さんに、「欅の一枚板を横に張って並べたものだ」と教えて貰った。

「この常磐旅館は、炭鉱の町で賓客となる財閥関係者や役人が宿泊できる場所を提供できるようにと転業したと伺いました」
「その町を象徴する場所のひとつで、後世に残すべきもの。大切な客人をもてなす場所だったようです」
「常磐館はご家族のご尽力があって6代目まで守ってこられたそうです。ただ老朽化もあり、現在改修中のお部屋もあるとのこと。職人が思うまま作った鯉の間や応接室の意匠はもう同じものを作る事ができないと思われます」(りせん*さん)

「りせん*」さん(@mido25risen)の投稿より

食事をしたのは、ツツジの間。4月末から5月中旬にかけて、庭を彩る何種類ものツツジを見ることができる。

りせん*さんが訪れた5月末は既に大半が咲き終わっていたものの、ゆらぎガラスの向こうにポッと遅咲きのツツジが咲いていたのが印象的だったという。

そしてもちろん、建物だけでなく、昼食も素晴らしかったそうだ。

予約できるのは1日に2組のみ

「最初から最後まで全部美味しい」「お造りに茶碗蒸し、天ぷらまでどれも調和のとれた美味しさで、食事利用のみでも十分に満足出来るような心くばりを感じました」とうっとりと語った。

「りせん*」さん(@mido25risen)の投稿より

というのも、同館の宿泊部門は現在、休業中。「食事のみでも続けられる限りは頑張りたい」と女将さんがにこやかに話してくれたとのこと。

そんな女将さんにJタウンネット記者も電話で話を聞くことができた。

女将さんによると、料理を提供するのは、板前でもある館主と女将さんの二人。

「『いちばん美味しい状態でお料理を楽しんでいただきたい』という思いを胸に、お客様をお迎えし、おもてなしいたします」(常盤館・女将)

人手がないため、「1日に2組のお客様しかお受けできません。予約も、電話のみです」「ツアーのお客様には対応できないので、個人客が中心で、クチコミだけでやっています」と話す。

交通の便もけっして良くない。福岡市内から車で1時間以上はかかるかもしれない。しかし、それでもお釣りがくるほど、贅沢なひとときが楽しめそうだ......。

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