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他の〝家系再現系〟とは一線画すまろやかさ セブン「六角家」カップ麺は既存イメージ覆す良品

Jタウンネット / 2024年12月9日 17時0分

他の〝家系再現系〟とは一線画すまろやかさ セブン「六角家」カップ麺は既存イメージ覆す良品

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第百四十七回 セブンプレミアム「銘店紀行 横浜ラーメン六角家 豚骨醤油」

文・写真:オサーン


カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第百四十七回目となる今回は、セブンプレミアムの「銘店紀行 横浜ラーメン六角家 豚骨醤油」を紹介します。

かつて横浜家系ラーメンの御三家のひとつに数えられ、家系ラーメンの全国的なブームの礎を築いた「六角家」。そのカップ麺が復活しました。

家系ラーメンと再現系カップ麺

現在、「横浜家系ラーメン」はラーメン業界の大潮流のひとつとして君臨しています。

中でも家系ラーメン発祥の「吉村家」やその直系店はいずれも大人気店。カップ麺としては「吉村家」「環2家」「杉田家」が販売されています。

ローソン限定の「吉村家」や東洋水産の「環2家」のカップ麺は、実際のお店の味さながらのキレの鋭い醤油の味や香りによって、お店のスープの特徴であるご飯が欲しくなる味が忠実に再現されています。

また、名店再現系ではありませんが、ヤマダイや日清食品からは、横浜家系ラーメンの味を再現したカップ麺が以前から出ており、特にヤマダイの「凄麺 横浜とんこつ家」は、何代もリニューアルを重ねられた歴史のあるカップ麺です。

さて、今回カップ麺で発売された「六角家」は、「吉村家」から独立し、「吉村家」や「本牧家」とともに横浜家系ラーメン御三家に数えられた名店。

1994年には新横浜「ラーメン博物館」が開業の際に出店し、家系ラーメンの知名度を全国区に押し上げ、ブームの礎を築いたお店として知られています。

セブンプレミアムの「六角家」カップ麺復活

横浜・六角橋の本店は創業者の体調不調等により2017年に閉店。他のお店も相次いで閉店し、戸塚店を残すのみとなっていましたが、2024年に創業者の意志を継いだお弟子さんのひとりが「ラーメン博物館」にて「六角家1994+」としてお店を復活させました。

セブンプレミアムの「銘店紀行 六角家」も以前にも売られていたもので、今回「ラー博」のお店と同じように復活。

ファンの多い店だったので、実店舗もカップ麺も復活を待望していた人が多いのではないでしょうか。

しかし先述の通り、家系ラーメンにはすでに複数の再現カップ麺が存在しています。果たして今回の商品はそれらとどのように差別化しているのでしょうか。

別添袋は「後入れ特製オイル」のひとつ。麺やスープ粉末、そしてかやく類はカップにあらかじめ入っていました。

他の家系ラーメンの名店再現系カップ麺の多くはどんぶり型カップですが、今回の「六角家」はタテ型。

どんぶり型に比べるとあまり本格感はありませんが、それでも麺はタテ型カップには珍しくノンフライ麺が用いられていて本格的です。

そして価格は税別248円で、他の家系カップ麺より安価な設定となっています。

まろやかで濃厚な豚骨スープ

スープは、乳白色でスープ表面に油脂を浮かせた濃厚な豚骨醤油味。

太くてまろやかな豚骨の存在感が前面に出ており、甘いとすら感じられます。

表面の油脂から鶏油の風味が感じられますが、家系のカップ麺としては醤油のキレや香りは抑えられている印象を受けました。

特に「吉村家」など直系の味を再現したカップ麺は醤油のキレが鋭く、今回の「六角家」のまろやか味はその対極にあるような味となっています。

また、以前の「六角家」カップ麺ではもっと鶏油の存在感が強かったですが、今回のスープでは鶏油よりもまろやかな豚骨スープが際立っており、以前とはだいぶ異なる印象を受けました。

筆者はラー博で復活した「六角家1994+」の味は未経験ですが、お店のレビューでは豚骨がまろやかだという指摘が散見されるので、実際のお店も「吉村家」直系店とはある程度一線を画す味になっているものと思われます。

直系店を再現したカップ麺もとてもおいしいのですが、あの塩辛さは食べるのに結構覚悟がいるので、塩辛さ皆無の今回の味は需要が見込めるのではないでしょうか。

チャーシューチップとほうれん草がたくさん

麺は、太くて縮れのついたノンフライ麺。

タテ型カップは油揚げ麺が使われていることが多いですが、今回の商品ではより本格的なノンフライ麺を使用。

太くてもゴワゴワはしておらず、太い麺とまろやかで濃厚なスープのバランスは良好です。

六角家の麺としてはやや縮れが強いものの、太さや食感は家系ラーメンらしい雰囲気がきちんと感じられました。


麺量は70グラムで一般的な麺量は入っており、他社の同サイズの名店再現系カップ麺に比べて価格的には多少お得感があります。

ただ、麺が太くてひとすすりで口に入る量が多いため、細い麺に比べてあっという間になくなってしまい、少々物足りない印象は残りました。

ガッツリ系の家系ラーメンには大盛が似合うように思います。

具として入っているのは、チャーシューチップ、ほうれん草、ネギ。

大きいチャーシューが入っていないので見映えはあまり本格的ではありませんが、チャーシューチップはかなりの量入っており、家系ラーメンの大きな特徴であるほうれん草もしっかり入っていました。


ほうれん草とともに家系ラーメンの具のもう一方の特徴である焼き海苔は今回入っていません。

必要なら自分で用意してみても良いかもしれません。

既存の家系カップ麺と大きく差別化

復活した「六角家」のカップ麺は、既存の家系カップ麺――特に「吉村家」直系の、醤油のキレが鋭い商品とは一線を画すまろやかさ。家系ラーメンを食べたいけどあの塩辛さが気になるという人でも食べやすい味になっていました。

家系ラーメンのあのキレッキレの醤油のイメージを良い意味で覆す良品ではないでしょうか。

ラー博のお店と同様、カップ麺も完全復活と言えそうです。

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