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「捨て身追及」にいら立つ首相 防戦から一転「あべこべ答弁」…党内から疑問

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年3月4日 19時52分

岸田文雄首相(資料写真)

 2024年度予算案は4日から参院予算委員会に審議の場を移したが、衆院採決の混乱を引きずりピリピリムードが漂った。自らの辞職歴を引き自民党をただす立憲民主党・辻元清美氏の「捨て身の追及」(野党幹部)に岸田文雄首相はいらだちを隠せない様子。追及を受けた閣僚を制して首相自身が議論に割って入る「あべこべ答弁」(自民幹部)も飛び出した。

 異例の「土曜国会」となった2日の衆院可決によって日曜日の3日も、週明けからの予算委質疑の準備で与野党議員、府省庁職員ともに出ずっぱりとなった。卒業式シーズンで子どもの式への出席を見送った人たちも多いとされる。政府関係者らの話を総合すると、答弁冒頭に苦労をねぎらう旨の一言を入れる案も検討された。しかし首相サイドは「混乱は野党の抵抗のせいだからメッセージは不要」と一蹴したという。

 辻元氏は「総理が予算の年度内成立に固執して混乱を招いた。そもそも審議が押した原因は自民の裏金事件だ」、参院予算委野党筆頭理事の石橋通宏氏(立民)は「今回の混乱は参院軽視の印象を国民に与えた。わびの一言があるべきだ」と促したが首相は「日程は国会でお決めになったこと」と一顧だにしなかった。

 辻元氏から政倫審で明らかになったパーティー券収入キックバック裏金事件を巡る安倍派幹部の説明の食い違いをただされ、首相は「党幹部を中心に実態把握をする」と説明。「幹部は誰か。茂木(敏充)幹事長か」と自民内の不協和音を踏まえ食い下がられると「食い違いがあるかどうか確認しないと分からない」と突然、論点を変えた。

 「へえっ?」とあきれた声を上げた辻元氏は22年前に自身の秘書給与問題で議員を辞職し、その際に国会の参考人招致に応じた過去に言及。「私は逃げなかったから議員に復帰できた。自民の若手議員も真実を語るべきだ」と呼びかけた。

 防戦一方の首相は辻元氏が「英国国防相が日本の武器輸出三原則見直しの可能性に英国議会で言及した」との事実を引き「(木原稔防衛相との)大臣同士の面会で合意したのではないか」と追及に入ると一転反撃に出た。

 挙手する木原氏に代わって答弁に立つと「英国側の発言は英国側の期待」とした上で「武器輸出三原則の見直しは2011年の民主党政権下で始まった」と付言。「求めた時には答弁から逃げるくせに」「あべこべに出てきて余計な主張をする」などと辻元氏ら野党席から批判を浴びた。

 「総理のピンチに閣僚が助太刀に出ることはあるが、その逆は初めて見た」と驚く自民の閣僚経験者は「粛々と答弁していた木原さんを疑っているかのようで失礼。『民主党』を引き合いに出すのも品がない。自身の不満のはけ口に走ったと批判される」と「あべこべ答弁」に疑問を呈した。 

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