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コロナで遠のいた客足復活へ若手飼育員が奮闘 横浜・金沢動物園の滝川さん「新しい世界を見せたい」

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年3月29日 5時0分

ヒガシクロサイを担当する飼育員2年目の滝川さん=13日、金沢動物園

 昨年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行し、人々の活動が活発になった。足が遠のいた来園者を取り戻そうと、各地の動物園や水族館が奮闘している。横浜市立金沢動物園(同市金沢区)もその一つ。1年前から同園で働く滝川蘭丸さん(22)はまだ一人前とは言えないけれど、少しでも足を運んでもらおうとアイデアを膨らませている。「自分にしかできないガイドツアーをやって、来園者に新しい世界を見せたい」

 専門学校で動物の飼育について学び、2022年4月に市緑の協会に採用され、よこはま動物園ズーラシア(同市旭区)に配属された。子どもの時の夢をかなえた喜びは大きかったが現実は厳しかった。

 動物の世話をする仕事を想像していたが、餌を作ったり動物を運搬する専用箱を発注したりと事務作業も多かった。動物の小さなけがを上司に報告せずに叱られたことも。サイの飼育を任されたものの体重が20キロ近く落ちるなど、悪戦苦闘の日々が続いたという。

 飼育員となり10カ月が過ぎようとしていた昨年1月、飼育を担当していた絶滅危惧種のドール(イヌ科)が妊娠の兆候を見せた。同園では母親が生まれたばかりの赤ちゃんを食べてしまうことがあり、20年近く新たな命が生まれていなかった。

 経験のない滝川さんは毎日の勤務を終えた後にドールの出産に関わる論文や英語の文献を読みあさり、さらには18年前に繁殖を成功させた飼育員に直接指導を仰ごうと向かった。

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