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東海道新幹線の車窓から見える三角屋根とパステルカラーの家々…あの風景はどこ?記者が訪ねた

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年6月29日 5時0分

新幹線から見える町並みが話題となっている湘南日向岡住宅=19日、平塚市内

 「新幹線から見えるあの風景はどこ?」-。東海道新幹線の車窓から見える神奈川県平塚市の湘南日向岡(ひなたおか)住宅(同市日向岡)が交流サイト(SNS)上でひそかな人気を集めている。丘に立つ家々はデザインが統一された三角屋根とパステルカラーが印象的で、一度見ると忘れられない光景だ。静岡出身で、20年ほど前から新幹線で帰省する度に疑問に思っていた記者。昨年秋から平塚を担当することになり、「追う!マイ・カナガワ」取材班でもある記者がついに現地を訪ねた。

 新横浜駅から下りの新幹線に乗ると、10分弱で「あの景色」に出合える。見るなら座席は山側のE席がいい。車窓から一風変わった景色が見えるが、それも一瞬だ。新幹線には何十回も乗車しているが、いったいここはどの辺りなのか…。平塚に着任して取材で市内を回る中、ついに「あの景色」と運命の「再会」を果たした。

 平塚市西部の旭地区にある「日向岡住宅」。開発した東急(東京都渋谷区)によると、以前は畑と山林が大半を占める丘陵地で、人家はまばらだった。新幹線に送電する鉄塔や地区内の高低差のため、高低差を生かしたひな壇式の宅地造成を行うことになったという。

 「湘南日向岡ニュータウン」の名称で、バブル経済期の1987年1月に東急グループが分譲を開始。丘の上にひな壇形式でパステルカラーの家々が立ち並ぶ光景はやはり大きな関心を集めたという。住民によると、分譲当初は人気が集中し、週末になると購入する区画を巡って「抽選会」が行われ、1億円を超える物件もあったという。 

 現地を訪ねると、小高い丘の上にそびえる新興住宅街だった。分譲から35年以上が経過し、一つ一つの建物は「年齢を重ねている」ものの、緑が多く、路線バスも走っていた。記者が訪ねた6月中旬の午後は、地区内の中学校から生徒が下校する途中で、活気がある住宅街のように感じた。

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