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開業遅れ逆手に…相模原のリニア駅工事現場、神奈川県がエンタメ拠点に活用模索 知事「アイデア膨らみわくわく」

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月13日 18時20分

昨年10月にリニア中央新幹線「神奈川県駅(仮称)」の工事現場で行われたコンサート=相模原市緑区(JR東海提供)

 リニア中央新幹線の開業時期が見通せない中、神奈川県が相模原市緑区で建設が進む「神奈川県駅(仮称)」を開業までの間、エンターテインメントの拠点として活用できないか模索している。背景に県内で公立の芸術鑑賞施設が相次ぎ休館する事情があり、代替機能を期待する。黒岩祐治知事が現地を視察するなど、建設主体のJR東海の協力を得て実現可能性を追求。工事現場で芸術鑑賞の機会を創出できるのか、行方が注目される。

 「アイデアが膨らみ、わくわくした。芝居、コンサート、シアターなど、工事の進捗(しんちょく)に合わせていろんな場所でエンターテインメントを展開する可能性を感じた」

 11日に現地を視察した知事はこう手応えを語り、「目指すは『来たくなる工事現場の駅』。安全面を精査しながら企画の検討に入りたい」と踏み込んだ。

 リニアを巡っては、JR東海が静岡工区の着工の遅れで、目標としていた2027年の品川-名古屋間の開業を断念。早くとも34年以降にずれ込む公算が大きい。

 一方で、神奈川県駅は19年11月に着工し、全長約680メートル、最大幅約50メートル、深さ約30メートルの地下で、構造物の工事などが進められている。俯瞰(ふかん)できる広場から眺めると、造船所のドックのような威容を誇る。

 開業までの間、このスペースを有効活用する方策として、知事が着想したのがエンタメの舞台だった。折しも、老朽化で来年4月から県立県民ホール(横浜市中区)が休館。横須賀芸術劇場(横須賀市)の大劇場も天井の耐震化改修に伴い、今月から26年3月末まで休館中だ。

 就任当初から「マグネット・カルチャー」を掲げ、文化芸術施策に力を入れてきた知事にとって、県内で芸術鑑賞の機会や発表の場が減り、担い手の流出も進みかねないとの危機感がある。 

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