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中米の農園で毎年コーヒー豆を自ら収穫 厚木の販売店主、情熱から映画製作

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月14日 5時0分

グアテマラ産の豆が入った麻袋を持つ酒井涼旦郎さんと、歌手のInyさん=厚木市東町の厚木珈琲

 厚木市東町のコーヒー豆販売店「厚木珈琲(コーヒー)」代表の酒井涼旦郎(りょうたろう)さん(31)が、店で販売する中米グアテマラのコーヒー豆の生産の様子や、自身のコーヒーにかける思いを描いたドキュメンタリー映画「MADE IN_」を製作した。酒井さんの知人の映像クリエーター高橋優月さん(24)が撮影。同市旭町のライブハウス店長尾崎元気さん(32)が主題歌作りを引き受け、歌手Iny(アイニー)さん(18)が歌を吹き込むなど、若者の力が集まった。

 酒井さんは以前、大手飲料メーカーのコーヒー豆焙煎(ばいせん)会社に勤める傍ら、より高品質の「スペシャリティーコーヒー」に興味を持ち、個人的に焙煎の大会にも参加していた。

 海老名市内での工場立ち上げに奔走していた7年ほど前、6歳下の弟が突然、交通事故で亡くなった。「自分もすぐに死んでしまうかもしれない。後悔しないように生きなくては」-。

 思いが強まり会社を辞め、クラウドファンディング会社で働く一方、県が厚木市内に開設した起業家創出拠点「AGORA Hon-atsugi」で起業を学ぶなどして2022年に「厚木珈琲」を開業した。

 グアテマラは飲料メーカー時代に研修で訪れた国。知人を介して農園の一部を自社用に契約。山間の農園では手作業でコーヒーの実を収穫し、種を取り出し乾燥させる。酒井さんは毎年、生産者宅に泊まり込み、作業を共に行ってきた。

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