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川崎の乳児殺害遺棄で猶予刑 横浜地裁判決、孤立出産に至った経緯考慮 「実刑を選択するのは酷」

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月19日 5時0分

横浜地裁

 川崎市中原区のマンションで2022年4月、孤立出産の末に男児を殺害し遺体を遺棄したとして、殺人と死体遺棄の罪に問われたタイ国籍の無職の女の被告(25)の裁判員裁判の判決公判が18日、横浜地裁であった。西野吾一裁判長は、両罪の成立を認めた上で、被告の成育歴や特性、孤立出産に至った経緯などを考慮し「実刑を選択するのは酷であるとの感を免れない」として、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役6年)を言い渡した。

 西野裁判長は判決理由で、育児放棄といえる状況で小学5年まで学校に通えず、通学先ではいじめられた被告の経験や「境界知能」の特性も踏まえ「妊娠を確信後も母親や交際相手を信頼して相談するのは難しく、問題を先延ばしにして出産に至った」と認定した。

 「男児を水中に放置して死に至らせたことは決して軽視できない」とした一方、「生かすか否か葛藤しており、強い殺意は認められない。動機や経緯も検察側が主張するほど強い非難に値するとはいえない」と指摘。被告が反省し、当時の交際相手で現在の夫らの監督や更生支援体制が準備されていることなどを踏まえ、保護観察付き執行猶予判決と結論付けた。

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