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源頼朝の邸宅近くに謎の寺院跡発見 文献には明確な記述なく…鎌倉で出土品展示

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月21日 5時40分

日宋貿易で博多から輸入された白磁つぼ。底部には宋の商人のサインが書かれ、鎌倉では初めて発見された

 開発などに伴い、鎌倉市内の埋蔵文化財発掘調査で発見された出土品を紹介する「かまくら発掘調査速報展」が8月末まで鎌倉歴史文化交流館(同市扇ガ谷)で開催されている。中国・宋の商人のサインが記された白磁が鎌倉では初めて出土したほか、幕府の御所があった近くでは文献にも明確な記述がない“謎”の寺院跡とみられる遺跡も発見された。

 11世紀末から12世紀前半までに中国で作られたとみられる白磁のかけらは若宮小路近くの遺跡から出土。高さ約30センチのつぼの一部とみられ、底部の破片には「十綱」の墨書が残されていた。

 日宋貿易の拠点だった博多(福岡県)に暮らした宋商人は「綱首」と呼ばれ、綱首は自らの積み荷を示すため「綱」とサインを残したという。綱首の遺物は博多周辺では数多く出土しているが、鎌倉でサインが見つかったのは初めて。山本みなみ学芸員は「宋から博多への輸入品が鎌倉まで流通していたことが改めて裏付けられた」と解説する。

 源頼朝の邸宅だった大倉御所跡(同市雪ノ下)から300メートル離れた発掘現場では「かわらけ」と呼ばれる大量の素焼きの土器や地面に敷き詰めた石や瓦などが見つかった。かわらけは儀礼などで使い捨ての酒杯として利用され、200個以上がまとまって廃棄されていたことから鎌倉時代から室町時代にかけて存在していた寺院跡と考えられるが、文献などの記録では断定ができないという。

 市役所移転も計画されている深沢地区のJR東日本大船工場跡周辺では奈良、平安時代の住居跡も発見。さらには縄文土器や弥生土器も出土しており、先史時代から人々が暮らしてきた痕跡が明らかになった。

 速報展は約130点を展示。午前10時から午後4時までで入館料は一般400円など。

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