やまゆり園事件、被害者救命の医師 事件境に障害者への意識変化「彼らの訴え、しっかり感じ取りたい」
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月23日 13時0分
「彼らが訴えていることが何か、しっかり感じ取りたい」。津久井やまゆり園事件の発生時、被害者の救命に当たった医師の稲垣泰斗さん(42)は、これを境に知的障害者と接する意識が変化した。入院中の被害者たちに接した際、一人一人の感情表現の仕方など同園の職員が事細かにまとめた資料に触れたことがきっかけだった。26日で事件から8年。現場近くの診療所にも勤務する稲垣さんは、障害の有無にかかわらず患者の訴えや思いに耳を傾けて少しでも理解しようと努めている。
「(相模原市)緑区で多数傷病者事案があったので、全員出勤になりました」。2016年7月26日早朝、稲垣さんは自宅で電話を受けた。詳細が分からないまま、勤務していた北里大学病院救命救急・災害医療センター(同市南区)に向かった。
途中、車のラジオで事件を知った。同センターに入った稲垣さんは、救急車で次々と傷病者が搬送される中で、主に全体をマネジメントする役割を担った。
救命に当たっている最中は、医師として目の前の仕事に集中した。その後、命を救うことができて回復した被害者たちと診察などで接した際、感じることがあった。
日頃、知的障害者とコミュニケーションを取るのは難しいと考えていた。そうした中で、同園職員から一人一人についてまとめた資料が提供され、目を通した。
本人が口にする単語の意味、うれしい時や嫌な時にするジェスチャー、何が好きで何が嫌いか、日々のルーティン-。そこには時間を共にしてきた職員だからこそ分かる、とても細かい情報が書かれていた。
「時間をかけてよく人を見ればそれだけコミュニケーションを取ることができ、その人のことが分かる。職員さんたちがどれだけ思いをかけているのかも分かった。僕らは接している時間は短いが、少しでも近づけたらいい」。稲垣さんは職員に敬服の念を抱いた。
それから8年。稲垣さんは、同園近くの市立千木良診療所で週1回診療に当たっている。以前勤務していた同センターでは、意識のない状態で運ばれてくる傷病者が多いため、本人の感情に触れることは少なかった。今は診療所を訪れる一人一人と話をする。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「平日・日中」限定の救急隊、相次ぎ創設…働くパパママ隊員の多様なニーズにもマッチ
読売新聞 / 2024年11月22日 15時30分
-
【独白】「あの日は家族でお寿司を食べに行く約束」札幌女児タイヤ直撃…父親初告白「この1年」
STVニュース北海道 / 2024年11月14日 18時52分
-
日本初*。地域の救急医療を支える「無料施設間搬送システム」にAI電話を導入 ~迅速かつ安心の救急搬送を実現~
PR TIMES / 2024年11月8日 15時40分
-
知ってる? 加入必須な「自賠責保険」の運用益の使い道とは
バイクのニュース / 2024年11月7日 10時10分
-
ゲノムを基礎から!三木先生が分かりやすく解説 遺伝とゲノム医療
PR TIMES / 2024年11月6日 15時15分
ランキング
-
1「また慶應SFCか」話題のPR会社社長も…なぜ似たような人物が生まれる?元SFC生が語る内実
日刊SPA! / 2024年11月27日 8時51分
-
2兵庫・斎藤知事 PR会社社長の投稿「事前に聞いていなかった」
毎日新聞 / 2024年11月27日 15時58分
-
3「地面師」に10億円の賠償命令 積水ハウスが詐欺被害 東京地裁
毎日新聞 / 2024年11月27日 14時1分
-
4東京・五反田メンズエステ店強盗未遂 手配の27歳容疑者の動画公開
毎日新聞 / 2024年11月27日 16時0分
-
5詐欺未遂疑い、組幹部を再逮捕 闇バイト募集容疑、熊本県警
共同通信 / 2024年11月27日 13時1分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください