「学びの多様化学校」として、由比ガ浜中が2025年4月開校 鎌倉
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月26日 11時45分
鎌倉市は来年4月、不登校になった生徒を専門に受け入れる「学びの多様化学校」(旧称・不登校特例校)として「市立由比ガ浜中学校」(同市由比ガ浜)を開校する。少人数教育による「学び直し」や総合的学習を充実させる。県内の公立学校では2校目となり、8月に入学希望者を対象にした学校説明会を開催する。市教育委員会は「自分らしく学んで成長し、次のステップに進む場にしてほしい」と呼びかけている。
不登校特例校は国の指定を受け、不登校に悩む子どもたちの実情に合わせて独自の教育カリキュラムを組むことができる制度。県内公立校では大和市が2022年に市立引地台中学校に初めて分教室を設置した。
由比ガ浜中は鎌倉市立御成中学校(同市笹目町)の分校として開校し、分校による不登校特例校は県内で初めてとなる。江ノ電由比ケ浜駅近くに2階建ての新校舎(延べ床面積1260平方メートル)を設ける。1学年10人程度を受け入れ、学年ごとではなく3学年をまとめ、複数のグループに分かれて授業を受ける。生徒と教員との“相性”にも配慮し、複数の教員がグループの担任を受け持ち、さらにスクールカウンセラーも常駐するという。
自分のペースでゆとりを持って学ぶため、従来の年間1050時間の授業時間を770時間に削減。一部の学科時間を削る一方で「総合的な学習」に相当する教科を140時間分確保し、生徒一人一人の個性や特性に応じた探究学習を目指す。
市内在住で不登校中の児童・生徒を対象に毎年、学年ごとに若干名ずつ募集。学校説明会への参加を条件とし、市教委や学校との面談や相談を通じて転入学の可否を決める。
市内の不登校の児童・生徒は約360人(22年度)でこの9年で3倍以上に増加。市は23年から県内で初めてフリースクールの利用料の一部補助を開始し、さらには教室に入りづらい子どもたちの居場所となる校内フリースペースも全小中学校に順次整備を進めている。市教委は「民間フリースクールも含めて由比ガ浜中が不登校の生徒たちの選択肢の一つになれば」と期待を寄せている。
説明会は8月18日午後2時からと同19日午後5時から。申し込みは市ホームページで今月31日まで。
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