障害者差別の対策推進本部設置を閣議決定 共生社会の実現へ、本部長に岸田首相

19人が犠牲になった津久井やまゆり園事件の追悼式＝26日午前、相模原市緑区

　神奈川県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」（相模原市緑区）の入所者19人が殺害された事件から8年となった26日、政府は障害者に対する偏見や差別根絶に向けた施策を協議する対策推進本部の設置を閣議決定した。29日に初会合を開く。

　共生社会の実現に向けた施策を内閣一丸となって取り組むため、岸田文雄首相を本部長に、全閣僚が参加する。

　林芳正官房長官は同日の記者会見で、「優生思想や障害者に対する偏見・差別の根絶に向け、これまでの取り組みを点検し、教育・啓発を含めた取り組みを強化する」と述べた。

　障害を理由に不妊手術を強いた旧優生保護法を憲法違反とした最高裁判決を受けた対応。首相が17日に強制不妊訴訟の原告らと面会した際、障害者への偏見根絶などに向け全省庁で新たな体制を構築する方針を表明した。やまゆり園事件から8年の節目に推進本部の設置を閣議決定することにした。