なぜ人は「みどりの窓口」に並ぶのか お盆前後の混雑…JR東が方針転換、窓口増設・臨時開設へ方針転換
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月28日 16時30分
JR東日本(東京都)は今夏、お盆前後の繁忙期に向けて、切符を対面で販売する「みどりの窓口」を増設や臨時開設する。神奈川県内は9駅で増設。インターネットによる切符販売が広がりつつある中、なぜ利用者は窓口を訪れるのか。窓口を削減する計画はどうなっているのか―。現状を探った。
◆「機械で買うのは間違えそう」
7月中旬、JR横浜駅。平日にもかかわらず、みどりの窓口を訪れる人の波は絶えない。
横浜市南区在住の80代女性は、8月上旬に盛岡市内にある両親の墓参りに行くため、切符を購入しに来た。窓口案内まで約2時間かかると知ると、「これだけの混雑は想像していなかった」と驚いた。
切符は券売機でも購入することができるが、女性は「昔から対面でお願いしていた。たとえ長く待つとしても窓口がいい。機械で買うのは間違えそうで怖い」と吐露する。
同区在住の30代男性は、インターネットの予約サイト「えきねっと」で購入を試みるも、使いづらいため来店。ただ窓口の削減計画には賛成とし、「もっとネット上で簡単に購入できるように対応してほしい」と求めた。
◆チケットレス化で人件費削減を狙うが…
JR東は2021年5月、チケットレス化・モバイル化を推進するため、窓口を25年までに440駅から約7割減の140駅程度にまで絞る計画を発表した。
えきねっとなどのネットでの切符販売の割合を増やすことで、窓口業務のコストを圧縮。中長期的には年間約25億円の人件費削減を見込む。県内では発表以降、保土ケ谷や長津田、逗子など21駅で削減を実施した。
だが昨年5月の新型コロナの5類移行後、利用者が大幅に増加。チケットレス化が想定より進んでいないほか、インバウンド(訪日客)の急増も相まって窓口の混雑が続いている。
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