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海老名の水田に米海軍ヘリ不時着、けが人なし エンジントラブルか、米側は「予防着陸」 近隣に小学校や高齢者施設

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年8月3日 12時36分

不時着した米海軍機とみられるヘリコプター。胴体に「NAVY」の文字が見える=海老名市社家(読者提供)

 3日午前10時55分ごろ、海老名市社家4丁目の水田で「NAVY(ネイビー)と記載されたヘリコプターが着陸している」と目撃者から110番通報があった。在日米海軍厚木基地広報部によると、不時着したヘリは、米バージニア州ノーフォーク海軍基地の第15ヘリコプター機雷掃海飛行隊に所属するMH-53E(通称シードラゴン)で、同広報部は「予防着陸」と説明している。搭乗者12人を含めけが人はなく、午後0時40分ごろに離陸し、北東約7キロ先の厚木基地(大和、綾瀬市)に着陸した。

 海老名市消防本部によると、ヘリは厚木基地から岩国基地(山口県)へ向かう途中にエンジントラブルがあったといい、周囲に油漏れなどはなかった。

 同広報部によると、ヘリは同日午前に厚木基地を離陸した後、現場の水田に着陸したといい、「原因は現在調査中で、ご迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げる」としている。

 現場は海老名駅から南に約4キロ。水田が広がり、近くには小学校や高齢者施設、物流倉庫などもある。

 同市の内野優市長は「大惨事になりかねず、市民に強い衝撃を与えるとともに、地元住民の不安と恐怖は計り知れない。国や米軍に強く抗議し、改めて安全対策の徹底や、迅速かつ適切な情報提供を強く求めていきたい」などとコメントした。

 県の三森基康基地対策担当局長は同日、防衛省南関東防衛局の末富理栄局長に口頭で「住宅地近くで米軍ヘリが不時着したことは安全確保のために必要な措置だったとしても、住民の安全・安心を脅かしかねないもので遺憾」と抗議。▽事故に関する適時適切な情報提供▽早期の原因究明と再発防止策の実施▽安全が確認できるまでの同型機の飛行停止など安全対策の実施▽不時着地などに被害が確認された場合の適切な補償の実施-などを要請した。

 県によると、末富局長は「要請を受け、防衛省として適切に対応していく」と答えたという。

 県内では米軍機の不時着がたびたび起きている。直近では2013年12月、三浦市の埋め立て地に厚木基地のヘリが不時着、横転し、乗組員2人が負傷する事故が発生した。

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