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神奈川県内で新たな手口…ネット銀行悪用の特殊詐欺、高額被害が相次ぐ

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年8月5日 22時42分

神奈川県警本部

 被害額が増加傾向にある特殊詐欺を巡り、神奈川県警が新たな手口に警戒を強めている。「犯人があなたの通帳やキャッシュカードを持っていた。逮捕状が出ている」などとうその電話をし、新たなインターネット銀行の口座を開設させた上で預貯金をだまし取る手口で、金融機関の警戒が及びにくく、被害者と犯人が直接対面しないことから「捜査が難しい。少しでも怪しいと思ったらすぐ通報してほしい」と注意を呼び掛けている。

 県警暴力団対策課によると、この手口による被害は昨年秋ごろから見られるようになり、今年1~7月の被害件数は7件。被害者は50~80代の男女で、被害額は約2億4500万円確認されている。現在、県警が相談を受けている事案もあるといい、今後さらに被害が拡大する可能性もある。

 手口は、警察官や検察官を装う人物から「犯人があなたから買った通帳やカードを持っていた。あなたにも逮捕状が出ている」「資産全部が差し押さえられてしまうかもしれない」とうその電話が被害者にかかってくるところから始まる。

 次に「全財産を調べる必要がある。紙幣番号を調査できるネット銀行の口座を開き、現金を移さないといけない」と説明し、ネット銀行に被害者自ら新口座を開くよう誘導させるのが特徴で、従来の犯人が指定する口座に振り込ませる手口とは異なる。

 この開設手続きは犯人が被害者に代わって行い、ログインIDやパスワードを入手。開設後に犯人は既存の口座から新口座へ現金を移すよう指示し、被害者が振り込むと、入手したログインIDとパスワードを使って預貯金を根こそぎ別口座に移すのだという。

 預貯金の移動は被害者名義の口座間で行われるため、特殊詐欺を警戒している金融機関でも気づきにくく、同課は「複数の口座から新規開設口座に現金をまとめさせる手口で、被害が高額になる。新規口座のキャッシュカードは被害者の手元に届くため詐欺を疑いにくく、発覚も遅れがち」と手口の巧妙さを指摘する。

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