横浜で115年続く前川写真館、閉館へ 初代は関東大震災や伊藤博文を撮影
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年8月20日 23時20分
関東大震災後の横浜の被災状況を写真に記録したことなどで知られる写真家・前川謙三(1873~1946年)が創業し、親子3代115年の歴史がある「前川写真館」(横浜市神奈川区)が8月末に閉館する。撮影機材の老朽化や店主の高齢、後継者不在が主な理由で、3代目の前川浄二さん(75)は「じいさんもおやじも70代半ばで亡くなった。自分もちょうどそういう年齢になった。区切りの時期だし、妻や人に迷惑をかけないうちにたたんだほうが」と話している。
「金港(横浜港)一流の写真師」と評された謙三。横浜市の要請を受け、関東大震災後の横浜の様子を写した写真は、当時を知る貴重な資料となっている。
謙三は福井出身で、上京して明治天皇の「御真影」を撮影した御用写真師・丸木利陽の写真館で写真家としての一歩を踏み出し、その後、渡米して最新のライティングの技術などを学んだ。旧千円札の伊藤博文の肖像の元になった写真は謙三が撮影したとされる。独立して09(明治42)年に横浜に写真館を開業。多くの弟子が働き、写真専門学校でも後進を育てた。
2代目となった謙三の長男・順三さんは、41年ごろから父の写真館で働き始めた。同市中区弁天町にあった写真館は、45年5月の横浜大空襲で全焼。終戦後、復員した順三さんは港北区内で再び写真館を開き、57年に現在の神奈川区内に移った。
浄二さんによると「おやじはじいさんに教わっていない。じいさんが残したガラス乾板で現像や修整の腕を磨いた」。浄二さん自身も順三さんから技術的なことは教わらなかった。「職人の世界は親子でも戦い。見て盗んだ」という。
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