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朝ドラ「虎に翼」の影響で法服に注目 県内の弁護士須須木さん一家「歴史の重さ感じる」

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年9月9日 5時20分

刺しゅうが印象的な法服

 日本初の女性弁護士の一人で、戦後に裁判官を務めた三淵嘉子さんをモデルとした、放送中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」。作中やオープニング映像で伊藤沙莉さん演じる主人公・寅子が着て登場する、かつての弁護士の「法服」は今、各地の展示で人気を集めるなど注目されている。神奈川県内で代々弁護士を務めてきた須須木永一さん(77)一家にも当時の法服が受け継がれており、一家は「歴史の重さを感じる。大切に保管し、引き継いでいきたい」と話している。

 法服は明治時代、近代国家としての法整備が進められる中、欧米の法曹界に倣って取り入れられたとされる。法服のレプリカを展示し、着用体験などを実施している松本市歴史の里(長野県)によると、法服は裁判所構成法に基づいて1890~93年に定められた。

 聖徳太子図像や西洋の法服を参考とした和洋折衷のデザインで、刺しゅうの色は弁護士が白、判事は紫、検事は緋(ひ)色。弁護士が唐草模様で、判事と検事は唐草と桐花の模様だった。ドラマでも戦前の法廷のシーンで判事、検事、弁護士それぞれの法服姿が見られた。

 戦後の1947年に同法が廃止となり、法服は使われなくなっていった。現在は最高裁規則により、裁判官と書記官のみ黒一色の法服を着ている。

 「虎に翼」の影響でかつての法服に注目が集まっている。三淵さんも実際に勤務した建物で、ドラマのロケ地でもある名古屋市市政資料館では、本年度の来館者数が8月末までに約8万6千人と昨年同期比で2.5倍に伸び、法服の実物展示などに多くの人が足を止めているという。

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