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【追う!マイ・カナガワ】横浜を走る連節バス、支払い方法や乗降口がまちまち…なぜ? 困惑する障害者も

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年9月12日 5時0分

運行開始した神奈川中央交通の連節バス「ツインライナー」=横浜市戸塚区

 「7月1日より神奈川中央交通バスの連節バス(ツインライナー)が運行開始となりましたが、支払いが申告先払い方式と現金の場合は整理券方式となっており、聾(ろう)者含めた各種障害者には大変ハードルが高い」。神奈川新聞の「追う! マイ・カナガワ」(マイカナ)に横浜市泉区の40代男性から、こんな声が寄せられた。「丁寧に制度設計すればこのような事態にならなかったのでは」。マイカナ取材班が男性の疑問を追ってみた。

 横浜市と神奈川中央交通(平塚市)が公民連携で取り組むツインライナーは、横浜市戸塚区で運行。全長約18メートル、定員は112人と通常(75人)の約1.5倍だ。両者が同区南西部のバス路線の維持と充実を目的に導入を検討してきた。

 同バスは後払い方式と申告先払い、乗車扉も中扉からだったり前扉からだったりと、いずれも方面によって異なる。

 ツインライナーになる前からあった路線だが、今回の定員増を機に、精算方式が変わったのは戸塚バスセンター方面行きのバス。従来はほかの路線と同じく後払い方式だったが、申告先払い方式に変更した。同社は理由を「戸塚駅では一斉の降車が予想され、スムーズな降車を実現するため」と説明。同方面の全てのバス停に支払い方法などを説明する案内を掲出したり、地域に広報誌を出したりして周知してきた。

 県内では湘南ライフタウン-JR辻堂駅間のバス路線にも2018年から連節バスが導入され、ツインライナーと同様、支払い方式や乗降方式は方面によって異なるという。

 疑問を寄せた男性の問題意識は、今年4月1日に施行された改正障害者差別解消法に起因する。「時代は変わって法律も整備されている。なのに同じようなやり方でいることに疑問を感じる」

 視覚障害者の相談事業やボランティア養成に携わるNPO法人横浜市視覚障害者福祉協会の理事で、自身も全盲の浮須秀男さん(61)は方面によって乗車や降車ドアが変わる方式は「すごく複雑」と吐露。「われわれは常に白杖(はくじょう)を持っていて移動も難しい。例えば合理的配慮として、乗降車とも前ドアにしてもらえれば利用しやすかった」と話す。別の障害者支援に携わる男性も「知的障害者の中には、乗降方法の仕組みが混在していて困る人がいると思う」と指摘した。

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