厚木の愛名やまゆり園「入所者への虐待常態化」 第三者委が中間報告書
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年10月10日 23時35分
神奈川県立知的障害者施設「愛名やまゆり園」(厚木市)の入所者への虐待事案を調査していた第三者委員会は10日、中間報告書を公表した。傷害罪などで有罪判決を受けた元職員が勤務していた生活寮では、事件の9年ほど前から虐待が常態化していたと指摘。運営する社会福祉法人「かながわ共同会」と園が問題を放置したことで事件が起きたとし、その対応を厳しく非難した。
事件が起きた寮は、自傷他害などの「強度行動障害」があるとされる男性18人が暮らしている。報告書によると、少なくとも2014年度ごろから22年度まで、一部の職員による身体的・心理的虐待や、自慰行為を強要するといった性的虐待が常態化し、暴力や暴言、無言の圧力で入所者を支配していたという。
この寮で21年度から勤務していた元職員も職場環境の影響を逃れられず、先輩職員に同調。自らも虐待するようになり、23年11月に傷害容疑で逮捕された。
第三者委は、職場環境と事件の因果関係について検討。虐待に関与していた疑いがある先輩職員が22年度末までに全員異動していることから、事件の主因は本人の力量不足にあると指摘。
一方で、支援の専門性を身に付ける研修の機会がなかったことなどから「元職員の個人的資質のみに全責任を求めることは困難」とし、虐待が常態化している状況を放置しなければ事件は防げたとして園や共同会の対応を批判した。
共同会は「報告書で指摘されたことを重く受け止め、改善に努める」とコメントした。
今回の調査では、この寮で虐待の疑いがある事案が新たに38件判明。入所者11人が被害に遭い、元職員を含む職員9人が関与した疑いがあるという。第三者委は県を通じて関係自治体に通報した。
第三者委は主に、いずれも弁護士の佐賀悦子と佐藤彰一、日本社会事業大教授の曽根直樹の3氏で構成。関係者40人にヒアリングするなどして報告書をまとめ、公表した。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
患者暴行相次いだ精神科病院「滝山病院」再生なるか 同族経営脱却に続き名称も刷新
産経ニュース / 2024年11月22日 20時46分
-
高速船浸水隠し、安全意識欠如=JR九州「関与不足」―第三者委報告書
時事通信 / 2024年11月21日 21時12分
-
JR九州の関与「不十分」 高速船の浸水隠しで第三者委
共同通信 / 2024年11月21日 19時58分
-
【新刊書籍】『幼保事業者の重大事故・不適切保育対応』(著:弁護士法人かなめ 弁護士 畑山 浩俊・米澤 晃・中野 知美・南川 克博 )2024年11月11日に発売しました
PR TIMES / 2024年11月14日 14時20分
-
障害ある患者への虐待16件認定 看護師ら、三重・国立鈴鹿病院
共同通信 / 2024年10月31日 10時53分
ランキング
-
1「“確率”の問題は“数学I”の範囲外」 受験生の指摘で発覚 島根県立大学の入試で出題ミス 島根県出雲市
日本海テレビ / 2024年11月24日 11時51分
-
2ビシネスホテル“強盗” 自称会社員の少年を逮捕 群馬・高崎市
日テレNEWS NNN / 2024年11月24日 13時15分
-
3党員不適切登録の自民・田畑裕明衆院議員、社員が架空党員にされたか尋ねた社長に「党費はあなたが払ったことにして」
読売新聞 / 2024年11月24日 10時57分
-
4セブン&アイ「9兆円MBO案に潜む“危険な賭け”」。非上場で外資による買収は回避できるけど
日刊SPA! / 2024年11月24日 8時52分
-
5車動き出し下敷き、71歳妻死亡 群馬の温泉旅館駐車場
共同通信 / 2024年11月24日 1時16分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください