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横田めぐみさん拉致から47年 会見で早紀江さん「なぜ進まないのか」

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年11月14日 23時10分

拉致から47年が経ち、「言いようのないいらだち」と話す横田早紀江さん=12日、川崎市川崎区

 横田めぐみさん=失踪当時(13)=が新潟市内で北朝鮮に拉致されてから15日で47年となるのを前に12日、母早紀江さん(88)が川崎市川崎区で会見を開き、「姿も見られない。声も聞けない。何も分からない。なぜ全く進まないのか」と悲痛な思いを吐露し、拉致問題の早期解決を改めて訴えた。

 まな娘が拉致されてから半世紀近く。「人の人生に近いような、信じられないような年月。47年って口で言いたくないほど、何も見えない」

 時間だけが過ぎ、めぐみさんは10月5日に還暦を迎え、早紀江さんはことし88歳の米寿となった。近頃、体力の衰えを感じるといい、「家のことも、三つ四つ続けてできたことも、二つぐらいで疲れてしまう。やっぱり命の時間はあまりない。だけど、生きているんだという望みを持って頑張ってあげるしかない」と気丈に振る舞う。

 新潟市立中の1年だっためぐみさんは、1977年11月15日の下校途中に拉致された。バドミントン部の練習を終えた帰り道に「煙のように消えてしまった」という。

 北朝鮮は2002年の日朝首脳会談で初めて拉致を認めて謝罪、拉致被害者5人が帰国した。しかしその後、目立った進展はない。早紀江さんは政府に対して「本当によくもこんなに長い間…。本気度がなかなか見えない。政治って何なんだろう」と憤る。石破茂新首相には「とにかく生命を救うという意味を第一に掲げ、(拉致問題解決に)取り組んでもらいたい」とくぎを刺した。

 めぐみさんの弟拓也さん(56)が代表を務める拉致被害者家族会としても、全ての被害者の即時一括帰国がかなえば、日本政府の独自制裁解除に反対しない方針を示している。

 早紀江さんは「人間はみんな幸せであった方がいい。(北朝鮮側も)みんなが自由になれるようになってほしい。戦争をするんじゃなくて、もう本当に平和にならないといけない」と訴えた。

◆横田めぐみさん拉致事件 1977年11月15日、新潟市立中1年の横田めぐみさんが下校中に消息を絶った。警察庁は97年、北朝鮮による拉致事件と判断。2002年の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めて謝罪し、5人が帰国した。その後、北朝鮮からめぐみさんの「遺骨」とされる骨も提供されたが、鑑定で別人と確認された。政府は生存を前提に再調査を求めている。

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