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鎌倉・鶴岡八幡宮に初の女性神職 800年の伝統で初「想像以上に大変」「神様により近い場所で」

カナロコ by 神奈川新聞 / 2025年1月1日 4時0分

明治期以降で初めての女性神職となった桜木さん(左)と小山さん=2024年12月27日、鶴岡八幡宮

 鎌倉幕府の初代将軍源頼朝によって整備された鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市雪ノ下)で昨年6月、2人の女性神職が誕生した。伝統的に男性が神職、女性が巫女(みこ)とされ、古い記録は残ってはいないが、女性の神職は800年以上の歴史で初めてとみられる。新年の三が日だけで約250万人が初詣に訪れる八幡宮で、新米神職らは「すがすがしい新年を迎えられるように」と準備に奔走してきた。

 神職の見習いに当たる「出仕」に就任したのは桜木宏昌(ひろよ)さん(34)と小山その子さん(40)。2人とも巫女として八幡宮に就職し、一度は巫女を“引退”して事務職員となったが、神職資格を持ち、神事などに精通していることから女性神職第1号として白羽の矢が立った。2年程度の修行期間を経て正式に権禰宜(ごんねぎ)に昇格する見込みという。

 横須賀市出身の桜木さんは幼い頃から家族で3カ月に1回、山形県内の神社に参拝していた。子どもにもかみ砕いて神様のことを教えてくれ、参拝客のために心を尽くす神職の姿に憧れて自らも神道の道を志した。歴史的な大役に「率直にうれしいが、緊張もある」と話し、信心深い家庭に生まれて神道を学んだ小山さんも「自分のできることを精いっぱいやりたい」と意欲を燃やす。

 八幡宮では宮司をトップに禰宜や権禰宜ら神職が祭事で祈祷(きとう)やおはらいなどを行う。一方で巫女は神職を補助し、神へ舞を奉納するのが役割で、たとえ清掃時でも本殿の神座に近い幣殿から奥には立ち入ることができない。

 祭事に必要な道具などは全て神職が用意し、力仕事や複雑な決まり事も多い。出仕の2人はまだ祈祷はできず、お供えや参拝客らのおはらいなど祭事の補助が主な仕事だが、桜木さんは「神職の仕事は外から見て大変そうに見えたが、実際には想像以上に大変」と苦労しながらも、小山さんは「神様により近い場所でご奉仕できるのはうれしい」と充実感を抱いている。

 これまで男性の神職しかいなかったため、「浅沓(あさぐつ)」と呼ばれる木製の靴も女性には大きすぎて階段の上り下りも一苦労。祭事にかぶる烏帽子(えぼし)もサイズが合わないため、帽子の中に和紙を折って入れて調整しているという。女性第1号ゆえの苦労話も桜木さんは「自分たちがどれだけ多くの気付きができたかで後に続く次の世代たちが働きやすくなる」と前向きに捉える。

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