【スノボ・ハーフパイプ】川崎出身の重野秀一郎選手、五輪代表入りへ挑む
カナロコ by 神奈川新聞 / 2025年1月1日 20時30分
空高く舞い上がり、高難度の回転技で世界中の人々をワクワクさせる。2026年2月に開催されるミラノ・コルティナ冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプの選考レースに挑んでいる日体大1年、重野秀一郎選手。川崎市川崎区出身の19歳はこれまでのスタイルを変えることはなく、あくまでも自然体だ。「結果に縛られるんじゃなくて、自分らしくスノーボードを盛り上げられたらいいなって。そうなれば、勝手に結果も付いてくる」
スノーボードとの出合いは突然だった。小学2年の5月、12歳上の姉が屋内スキー場「スノーヴァ溝の口─R246」(現在は閉園)でアルバイトをしていた縁で、そり遊びの体験教室に参加した。イベント後にスノーボーダーが滑降する姿に心がときめいた。「単純に格好いいな、やってみたいって」。小柄な少年の運命がその瞬間決まった。
翌春には選手クラスに所属し、放課後には一人でJR南武線を利用して練習場に向かう日々が始まった。「夏休み期間は朝9時から晩までずっといた。理由はなくて、とにかく滑っているのが楽しくて」。雪国ではない川崎生まれの逸材の技量は「好き」という純粋な思いで磨かれていった。
小学6年の全日本ジュニア選手権で優勝し、14歳で出場したUSオープンは8位に入るなど、選手層の厚い日本代表の次代を担う存在として脚光を浴びてきた。
ハーフパイプでは世界初といわれるフロントサイド「1800」(5回転)を成功させるなど滞空時間の長いエアが武器の一つ。危険と隣り合わせの大技を繰り出す心境について本人は苦笑する。「すごく怖い時はあるけど、小さな頃から見てきた大会に出られているうれしさが打ち勝っている。今はとにかく目の前の大会が楽し過ぎて」
ワールドカップ(W杯)カナダ大会での3位や冬季Xゲームで4位に入賞した昨季はシーズンを通して左足首にテーピングを巻き、痛み止めの薬が欠かせないほど体調は万全ではなかった。それでも、結果を残したことで、自身への確かな自信もつかんだ。
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