学校給食でおなじみ 横浜で創業101年の「かもめパン」 移転しても変わらない懐かしの味
カナロコ by 神奈川新聞 / 2025年1月4日 11時55分
ハマっ子には学校給食でもおなじみの老舗「かもめパン」(横浜市南区)の本店が、店舗の老朽化に伴い旧店舗から約400メートル離れた京急線井土ケ谷駅近くに移転した。新店舗でも「懐かしの味」を守り、地元の常連客らで以前にも増してにぎわいを見せている。今年で創業101年を迎える同店4代目代表の藤江嘉昭さん(52)は「地域に愛されるパン屋さんとして、今後も発展し続けていきたい」と意気込む。
同駅の改札を抜けて数分歩くと、白いカモメが描かれた特徴的な看板が目に飛び込んでくる。店の外にまで漂うパンの香りに鼻をくすぐられ、誘われるように店内に入った。
「いらっしゃいませ」。店員の女性が笑顔で出迎える。店内には揚げパンやカレーパンといった定番商品に加え、総菜パンなど約80種類がずらりと並ぶ。昨年11月に移転して狭くなったが、「店がきれいになって気分も一新した」と藤江さん。駅近くの好立地に移転したこともあり、売り上げは約3倍に増えたという。
同店は1924年に米菓製造会社「三河屋」として創業。パンを作るようになったのは45年ごろで、戦中・戦後の食糧難に直面する中、県の要請で配給用のパンを製造したのがきっかけとなった。その後、学校給食のパンの製造も担うようになり、現在は横浜市立小学校の3分の1に当たる約100校に給食パンを提供している。
「市が決めた材料、製法でパンを作っているが、気候や小麦の状態を見極め、水分量などを最善の分量にすることでよりおいしくしている」。藤江さんのこだわりが評判を呼び、教員の中には異動先の給食にかもめパンが提供されているか気にする人もいるという。
学校給食にはコッペパンやロールパン、ぶどうパンなどを提供してきており、「懐かしい給食の味」を求めて店舗を訪れる人も多い。生まれも育ちも横浜という会社員の女性(51)は新店舗で看板商品の揚げパンを購入。「小学校の時は給食として、大人になってからはおやつとして、ずっと食べ続けてきた味」とほほ笑んだ。
伝統の味を守りつつ、5人のパン職人と共に変わり種の総菜パンなど新商品の開発に余念がない藤江さんだが、「結局は王道が一番」とも。人気のカレーパンは自らスパイスを調合し、「おいしいと感じられる絶妙なあんばいの辛さを追求した」と胸を張る。
最近は国が米飯給食を推し進めたことで、給食パンの提供機会が減った。新規出店やパンの自動販売機設置など、さまざまな構想を練る藤江さんは「パン文化をまた盛り上げたい」。次の100年に向け、夢とパン生地を膨らませる。
年始は1月5日から営業。午前8時から午後7時まで。
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