日銀副総裁「利上げを行うか、政策委員の間で議論し判断」 横浜で講演
カナロコ by 神奈川新聞 / 2025年1月14日 22時30分
日銀の氷見野良三副総裁は14日、横浜市内で講演し、23~24日に開く金融政策決定会合で「利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」と述べた。日銀が利上げを判断する鍵となる2025年春闘の賃上げを巡り、「24年度に続き、強い結果を期待できる」との認識も示した。
14日の金融経済懇談会で講演した氷見野氏は、賃上げに関し「年初の各界の方々の発言も前向きな話が多かった」と評価。日銀が9日に開いた支店長会議では「全体的に強めの報告が多かった」と振り返った。複数の支店長から「継続的な賃上げを中期経営計画に盛り込むといった報告があったのが印象に残った」とも語り、持続的な賃上げに期待感を示した。
日銀が目指す2%の物価安定目標については「来年度、再来年度に2%程度に着地することをメーンシナリオと考えている」と説明。経済・物価情勢は「おおむね見通しに沿って進んでいる」とし、見通しが今後も実現していけば「昨年3月、7月に続いて、今後も政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と述べた。一方でリスク要因を考慮し「注意深く判断する」とも付言した。
米国では今月20日、トランプ氏が米大統領に就任する。氷見野氏は「来週の就任演説で政策の大きな方向は示されるのではないか」と語り、新政権の政策と、各国経済に与える影響を見極めるとした。米経済は「当面強いパフォーマンスが続くとの見方が多く、下方リスクに焦点が当たっていた24年8月ごろとはだいぶ様子が変わってきた」と指摘した。
来週の金融政策決定会合を控え、市場では追加利上げ観測が高まっている。日銀は24年7月の決定会合で政策金利を0.25%へ引き上げると決めた。その後は3会合連続で追加利上げを見送っている。
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