「挑戦してたくさん間違えること」こそ教育――ゲスト 黒田真紀(エノアコーポレーション社長)後編

経済界 / 2018年4月17日 16時0分

(くろだ・まき)10代でカリフォルニアに家族で移住し、空軍に入隊。4年間勤務したのち、退役してMBAを取得。ソニーコーポレーションアメリカ、マリオットホテル、野村證券などを経て、1996年にハワイに移住。ワイキキトロリーの運行などを手掛けるエノアコーポレーションの代表取締役社長に就任し、現在に至る。

成熟社会を迎え、子どもの教育、就職、働き方など、さまざまな面において、これまでのやり方が機能しなくなってきた日本。難病を抱えながら息子とともにハワイに移住し、事業家として成功を収めたイゲット千恵子氏が、これからの日本人に必要な、世界で生き抜く知恵と人生を豊かに送る方法について、ハワイのキーパーソンと語りつくす。

本音のコミュニケーションが苦手な日本人

イゲット 過去に働いていた大企業と、今経営しているエノアコーポレーションで違いは感じますか?

黒田 従業員の人間性の部分と、大企業だと何かを始めるまでに何年間もかかるところが、今の会社ではやるとなったらすぐにやるというところですね。私が以前働いていたソニーも、ウォークマンがヒットした後、デジタル化に時間がかかりすぎたために、アップルにやられてしまったのではないでしょうか。

イゲット 確かに、日本企業はスピード感がなくて出遅れてしまうところがありますよね。

黒田 今は変わってきているとは思いますが、日本のサラリーマンには「失敗したくない」と考える方が多いのも理由でしょうね。日本企業は長期的に物事を考えますが、アメリカ企業の場合は、長くても1年ぐらいの短期ビジョンで動いています。

 それには良いところも悪いところもあって、日本人とミーティングをすると、みなさんTQM(トータル・クオリティ・マネージメント)、つまりチームの調和を重視して全体を見る傾向がありますが、アメリカ人は個人で走っている人がたくさんいて、どちらかと言えば自分勝手(笑)。昔の日本の会社は、朝ラジオ体操をやって、会議をたくさんやって、ボスの前に部下がずらっと座ってという学校みたいなところがたくさんありましたが、そういうところは今でも残っているでしょう。私は問題児だったから、小さなころから先生にもいろいろ言って、落第する寸前まで行きましたけど(笑)。

イゲット 規格外の子供だったから先生が大変だったでしょうね。

黒田 先生には迷惑をかけて、悪かったなという思いはありますけどね(笑)。日本人は素晴らしいけれど、心配している部分もあります。間違ったことを言ったら恥ずかしいとか、嫌われちゃうんじゃないかとか、考えすぎているのではないでしょうか。日本人には我慢することが美徳という考え方があって、結婚もそう。日本人カップルで「本当に幸せ!」と言っている人は本当に少ない気がします。

イゲット 確かに、アメリカ人に比べると幸せ自慢みたいなのは少ない気がしますね。

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