震災後に開店の岩手県大槌町の書店 書皮に震災前の町の地図を使用

太田出版ケトルニュース / 2014年4月21日 11時47分

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4月15日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして“本屋”をピックアップ。「旅に出たら本屋に行くのが大好き!」と題し、北海道から九州まで、旅先で必ず寄るべき本屋を紹介している。今回紹介するのは、岩手県大槌町にある「一頁堂(いちぺーじどう)書店」。本屋経験もない、本にも詳しくない、そんなご夫婦が被災地で始めた本屋さんは、とてつもなく地元を愛する本屋さんです。

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一見、ショッピングセンターにある普通の本屋さん。でも、よーく店内を見回すと、「あなたに笑って欲しい」とのポップと犬猫本の山。サスペンス小説のそばに、なぜか『ふるさと玩具図鑑』などほっこり系書籍が並べられた「ハセガワセンセーの本棚」。さらに、参考書コーナーの上には地元神社のお札があったりと、店内各所に不思議な光景。これはいったい?

「ただの本屋ではなく、地元の人がくつろげる場所にしたくて」と笑うのは、岩手県大槌町「一頁堂書店」の木村夫妻。「犬猫の本って眺めるだけで笑えますよね? お客さんに少しでも立ち止まってほしくてこのコーナーを作りました。『ハセガワセンセーの本棚』は地元高校の先生が選んだ書棚です。参考書コーナーの上のお札は、受験生の合格祈願に、ね」

店内の仕掛けから伝わるお客さんへの深い愛。でも「実は本屋をやる気はなかった」と語る木村さん。サラリーマン家庭だったお二人が本屋を始めたきっかけは、東日本大震災でした。

「震災で大半が流されてしまった地元に貢献したくて、会社を辞めて大槌で仕事を探していたら、『津波で本屋が流されてしまったので、本屋をやらないか』とお話をいただいて。本にも詳しくないし、素人が簡単に店を始めるのはほかの本屋さんに申し訳がないので、最初は躊躇したんですが、少しでも町のためになるなら、と思い直しました」

オンライン書店e-honネットの売上を、地元の被災孤児の育英支援にする試みを行い、店内には、大槌を描いた作家・井上ひさしの著作本コーナーが設置されるなど、地元への思いがぎっしり詰まった一頁堂書店。震災では大変な被害に見舞われ大槌町だが、同書店の書皮(ブックカバー)には、震災前の大槌町の地図が使用されている。

◆ケトル VOL.18(2014年4月15日発売)

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ケトル VOL.18

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