娘殺害された遺族「今を楽しんで生きて」中学校で命の大切さ訴え
KKT熊本県民テレビ / 2024年6月27日 20時13分
殺人事件で最愛の娘を殺害された遺族が中学校で命の大切さを訴えました。生徒に命の重さを感じてもらうために…県内で初めてとなる取り組みが実現しました。
6月14日に熊本市の帯山中学校で開かれた講演会。家族を亡くした人たちの苦しみや命の大切さを伝えようと県警などが開いています。
講師は米村州弘さん。21年前、当時20歳だった二女の智紗都さんをパソコンのメールを通じて知り合った男に殺害されました。関西の山の中で見つかった娘の遺体。対面した時の記憶は今でも目に焼き付いています。
■米村州弘さん
「いま話していて思い出すのは大阪で見たほんの10秒足らずの本当に変わり果てたちーちゃんの顔です。これが頭から抜けることがありません」
伝えたかったのは「今を楽しんで生きてほしい」という思いです。
■米村州弘さん
「同じ人生ならば、同じ一生ならば楽しい人生を送ってちょうだい。そして自分の周りの人たちにも楽しい人生を送らせてあげてください。そのかぎを持っているのはあなた方のたった一つのちっちゃな命です」
■生徒
「いまこうやって笑って学校生活を送れていることはとても大事でいいことなんだと話を聞いて思いましたし、これからも皆で笑って学校生活を過ごしたいという気持ちがもっと深まりました」
「自分はいま生きているけど生きているだけで自分だけではなく友達や家族にも影響を与えていて自分の命は自分のものだけではないと思った」
講演を終えた米村さんは、階段の踊り場に向かいました。
そこに貼られていたのは、事件や事故で命を奪われた子どもたちの写真。我が子を亡くした親が生徒たちに向けて書いたメッセージが添えられています。
(メッセージ)
「これを読んでいる子どもたちへのお願いです。どうか命を守ってください」
「あなたの大切な友達や家族に突然逢えなくなってしまうこともあります。今できることを精一杯して後悔のない人生を歩んでほしいと思っています」
知り合いの遺族に呼びかけて米村さんが準備したポスターです。県内の学校に初めて掲示されました。
■米村州弘さん
「感動、とっても感動。パッとこの前を通ったときに『きょうは青信号渡るの気を付けよう』とか、『きょう帰ったら親父と話そうかな』とかほんの少しでも思ってくれたら。これを見て一番思ったのは(この活動を)絶対に続けたいこれを一つの学校でも多く置けるように頑張っていきたい」
子どもたち1人1人に命を大切にする思いを届けたい。智紗都さんに背中を押されるように、米村さんの活動は続きます。
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