「憲法違反は再審理由になるか」特別法廷で死刑 無罪訴えながら執行「菊池事件」法学者が証言
KKT熊本県民テレビ / 2024年10月2日 19時14分
ハンセン病患者などの裁判を隔離された法廷で行い、憲法違反とされた特別法廷。この特別法廷で唯一死刑判決が出されたのが「菊池事件」です。無罪を訴えながらも死刑を執行された男性の遺族が裁判のやり直しを求める再審請求で1日、刑事法学者が「裁判をやり直すべき」と証言しました。
■弁護団 德田靖之弁護士(熊本地裁での門前集会)
「裁判所に1日も早く菊池事件の再審開始を認める決定を下させるようにする。今日は本当に貴重な1日になると思います」
菊池事件は、1952年に役場職員を殺害した罪に問われた男性が、ハンセン病を理由に隔離され、事実上非公開の特別法廷で死刑判決を受け、無罪を訴えながらも死刑を執行されたものです。
熊本地裁は2020年、この特別法廷について、「ハンセン病を理由とした差別で法の下の平等に反する」として違憲と判断しました。これを受けて男性の遺族などが、熊本地裁に再審=裁判のやり直しを求め、裁判所と検察、弁護団による三者協議が続いています。
争点は「憲法違反が再審の理由になるかどうか」。刑事訴訟法では、再審の理由を「無罪とすべき明らかな証拠を新たに発見したとき」と定め、裁判での憲法違反が理由となるかは明記していません。
検察側は憲法違反は再審の理由にあたらないと主張しましたが、弁護側は再審の理由になることを立証するため、刑事法学者の証人尋問を請求。熊本地裁がこれを認め1日、刑事法学者で九州大学名誉教授の内田博文氏の証人尋問が非公開で行われました。
証人尋問の後、内田名誉教授は弁護側の記者会見に出席しました。
■内田博文名誉教授
「さまざまな憲法違反が複合的に交差して死刑判決を言い渡したという実態に即して、憲法的再審の問題を裁判所として対応していくべきではないかと申し上げた」
内田名誉教授は証人尋問で、「菊池事件の裁判は公開原則や法の下の平等など様々な点で憲法違反が著しく、憲法の規定を適用してやり直すべきだ」と述べたということです。
■弁護団 德田靖之弁護士
「願っていたことを内田先生に説得力ある形で言っていただき、初期の目的を達成できた。我々としてはやりたかったことを100%実現できたものだった」
熊本地裁がどのような判断を下すのか。次の3者協議は11月5日に行われる予定です。
この記事の動画はこちらから再生できますこの記事に関連するニュース
-
菊池事件再審請求「裁判手続きが憲法違反」 証人尋問で九大名誉教授
毎日新聞 / 2024年10月1日 19時33分
-
証拠「捏造」踏み込むか 袴田巌さん再審公判、無罪の公算大 26日に静岡地裁が判決
産経ニュース / 2024年9月25日 21時21分
-
袴田さん58年訴えた「無罪」なるか(上) 9月26日判決、長年死刑におびえ拘禁反応今も
47NEWS / 2024年9月24日 10時30分
-
ルールなき冤罪救済の法手続き 「再審格差」是正の訴え国会でも
産経ニュース / 2024年9月23日 18時28分
-
【袴田さん再審】“最大争点”「5点の衣類」の「血痕の色」巡る判断は?判決控え検察側証人・法医学者らが語る
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年9月23日 17時54分
ランキング
-
1台風18号、Uターンし南シナ海へ=あすには熱帯低気圧に―気象庁
時事通信 / 2024年10月3日 11時10分
-
2ニュース裏表 平井文夫 「石破人事」は極めて危険な賭け 安倍氏を「国賊」発言、村上誠一郎氏の総務相起用はさすがに…「味方」を斬って「敵」を喜ばせる?
zakzak by夕刊フジ / 2024年10月3日 6時30分
-
3宮崎空港の運航再開 誘導路で不発弾爆発
共同通信 / 2024年10月3日 9時20分
-
4石破茂首相、衆院解散を言及で批判殺到「大っ嫌い」と公言した因縁の“兄弟子”との行方
週刊女性PRIME / 2024年10月3日 7時0分
-
5日米外相「全面戦争」懸念=イランのイスラエル攻撃受け
時事通信 / 2024年10月2日 23時41分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください