被災地の未来どう描く 学生が提案 富山県高岡市
KNB北日本放送 / 2024年12月27日 21時10分
能登半島地震に伴う液状化被害が深刻な高岡市伏木では、公費解体などによる空き地が方々に広がっています。
そんな伏木のミライを描こうと今週、大学生がまちづくりを提案しました。
学生
「地域に開かれた縁側のような存在として誰もが気軽に訪れ、つながりを生み出す場をめざします」
今月23日に開かれた「伏木地区のミライを考える提案発表会」。
提案したのは、富山大学と東京科学大学の学生たちです。
学生たちは、液状化の被害が大きく、転居世帯が相次いでいる石坂と中道の2つの地区に対して、被災家屋の解体で広がっている空き地の活用や公民館の再建の未来図を提案しました。
地区の課題 調査から見えたものは
学生たちはこれまで、自治会ごとに住民に参加してもらい、各地の現状を調べてきました。
住民
「一番困っているのは下水が、水が流れない。最近よく大雨が降るが途端にトイレが使えなくなる」
7月の石坂自治会に対するヒアリングでは、曳山祭や納涼祭など地域の交流の拠点となっていた公民館を解体で失うことや、増え続ける空き地が課題になりました。
石坂自治会 二口勇平会長
「ここも解体するでしょ。解体、解体、解体、解体終わったからね」
富山大学学術研究部 籔谷祐介講師
「今でもこれだけ空いていますからね。解体した土地をどうしていきたいとか考えはあります?」
二口会長
「何にも考えていない」
籔谷講師
「ここに住まれているみなさんで、今後どういう風にしていくのか考えていけたらいいのかなと」
会長
「実際に何かできますか?」
講師
「分からないです。でもやらないとこのままになってしまう」
会長
「自治会長としては優先事項は公民館をいかにして復活させて、自治会の集合場所でありたいと」
学生が描いた街づくりとは
発表会で学生たちは、既に解体した石坂公民館とそれに隣接する空き地を一体的に整備する計画を提案しました。
学生
「縁側のスペースは外に面してベンチがあって気軽にまちを歩いている時に座ってもらえる空間になっています。町の人がたまれる空間を提案してきたいと思っています」
公民館にはテナントを入れ、世帯数が減った自治会の負担を減らす運営方法も発表しました。
住民に響いた学生の提案 「大学として地域に入り込んでいくことが重要」
もうひとつ被害が大きかった、中道地区には商店街があります。
学生
「中道通りの今後のめざす姿として新しいお店が増え、さらに多くの人が訪れるようなにぎわいのある通りになっていくことをめざすことが望ましいのではないかと考えました。水路を整備し歩行空間にする流れを考えています」
空き地でマルシェを開催して空き家と一体的に活用し、それらを暗きょとなっている水路でつないでエリアの価値を高めようと呼びかけました。
中道通りで電気店を営む田子さんは身を乗り出して聞いていました。
田子健一代表取締役
「素晴らしかったですね。やはり若い人のアイデアは違うわ。このまちで電気屋が本当にこのままできるのかと悲観していたが、ちょっと力が湧いてきた。商店街が結成されるように頑張ります」
住民
「年配の方の意見だけだと閉鎖的というか刺激がないような気がしますので一歩としてはよかったのではないか」
富山大学院 人文社会芸術総合研究科 重山隼人さん
「町を担っていく(若い)世代が少なくなっているという現状で、大学として地域に入り込んで一緒にしていくことが重要になっていくと思っていて、最初の組織作りを地域の方と一緒にやっていくことが僕たちの役割かなと思っている」
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