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【能登半島地震1年】キャスターが被災地の今を取材② 富山県氷見市

KNB北日本放送 / 2025年1月8日 19時37分

KNB北日本放送

武道キャスター「氷見市姿の高台から穏やかな海が見えます。1年前、この温泉旅館は、地震で被害を受けました」

石川県との県境に近い、氷見市姿地区に建つ温泉旅館「ひみのはな」。

震度5強の揺れに周辺の住宅は倒壊が相次ぎました。

旅館は、建物に大きな被害はありませんでしたが、電気や水道が使えなくなり、厨房には、割れた食器が散乱。

ロビーでは、100人を超える宿泊客と、避難してきた住民が不安な時を過ごしました。

ひみのはな・柿谷宗明支配人「(地震発生は)チェックイン真っ最中の時でした。当館もものすごい揺れに見舞われまして。これでもう終わったのかなとその時は本当に思いました。こういう状況になって、お客さん、今後来ていただけるのかなと、その時はすごく不安になりましたね」

温泉を再開したのは1月12日。

宿泊の再開はその3日後。

去年1月だけで、キャンセルは2000人に上り、およそ2000万円の赤字となりました。

にぎわい取り戻した温泉旅館

KNB北日本放送

地震から1年。

年末年始の予約は満室で、今年の元日は大勢の利用客でにぎわいました。

中には1年前、地震を経験したという客も。

記者「ちょうど1年前のこの時間、地震があったの覚えてる」

男の子「うん、覚えとる」

父親「チェックインして部屋に行ったときでした」

須藤俊明さん・永吏子さん「本当にこの時期にはないような真っ青な波もない、晴れてきれいな海でした。1年前」

高岡市から泊まりに来ていた須藤さん夫妻も、この部屋で地震にあいました。

「上のエアコンとかのパネルが落ちてきて、逃げましたけど」

記者「またここを利用しようと 思ったのは」

永吏子さん「毎年利用してますし、やっぱりここで年を越したいと思って」

俊明さん「ここを利用することによって少しでも応援になればという気持ちもあるので」

従業員のなかには、自宅が倒壊した人もー。

それでも営業を続け、被災した地元の住民や能登の復興に携わる人たちももてなしてきました。

「シャワーもできますし、露天風呂も入れますので、どうぞごゆっくりどうぞー」

住民「うれしくて涙出る」「ありがとうございます」

その結果、去年は赤字を回避できたといいます。

柿谷支配人「震災後もですね、なんとか営業を続けて参ることができました。皆さんに親しまれて安心してご利用いただける旅館となればいいなと思っております」

復興を後押すのは”人のつながり”

KNB北日本放送

吉田記者「去年、地震で大きな被害を受けたひみ番屋街ですが、今年は例年通り初売りを開催しています。店には朝から多くの人が訪れ、にぎわっています」

道路のひび割れなど、地震の爪痕が残るひみ番屋街。

初売りの2日、氷見の特産品の売り場と並んでにぎわっていたのは、能登の水産加工品などの福袋売り場です。

客「復興の支援も兼ねてということだったので、それだったら貢献もできるかなと思って」

氷見まちづくり協議会・本多正樹事業課長「率直に今日という日を迎えられたことに感謝しています。氷見市は能登半島の付け根になりますので。ここがしっかりとにぎわうことで能登半島にたくさんの人にお越しいただけるというような、そういうふうになればうれしいと思います」

会場には、輪島塗のブースも。

輪島塗の箸には、復興の「架け橋」、輪島と氷見の「橋渡し」という思いが込められていました。

客「お箸とボールペンをひとめぼれで買っちゃいました」

客「梅のデザインで夫婦でおいしくいただけるように」「車で通った時に復興が遅いなと感じていたので、こうしてお手伝いと言ったら大げさですけど、何かできることがあればなと」

客「どうもありがとうございました!買えました、あと1本しかないと言われて」

店「どうもありがとうございます」

客「客)頑張ってください」

大藤漆器店・大藤孝一社長「もう感謝しかないね」

人のつながりが被災地の復興を後押ししています。

キャスター:去年1年は、震災の被害を修復して、これまでの状態に回復する「復旧」に懸命な1年でした。しかし今年は、復旧にとどまらず、「復興元年」とできるかが問われているように感じました。長期的展望に基づいて住宅の形態や町の構造など新たな地域の在り方を構築できるかどうか、私たちは検証する取材をしていきたいと思います。

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