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【特別掲載】直木賞受賞・伊与原新さん 富山時代のインタビュー

KNB北日本放送 / 2025年1月15日 20時47分

KNB北日本放送

(2011年1月17日放送 伊与原さんへのインタビュー)

阪神・淡路大震災の経験を生かしたミステリー小説が、去年(2010年)、角川書店主催の横溝正史大賞を受賞しました。著者は、富山市在住の伊与原新さんです。伊与原さんの思いと、作品の魅力をお伝えします。

『お台場アイランドベイビー』

去年、角川書店が主催した横溝正史大賞を受賞したミステリー小説です。

著者は、富山県内の大学で教鞭をとる伊与原新さんです。

作品は、東京で大震災が発生したという想定のエンターテイメント、ミステリー小説です。

大阪生まれの伊与原さんは、阪神淡路大震災の被害を自ら目にしました。

伊与原 新さん『地震が起きた直後、僕自身、被災はしなかったですけど、割と、早い段階で、神戸にも行きました。その時に見た何とも言えない街の様子とか、そういうものは、常に描写に役立っています。小説の舞台は、震災から4年経過した復興しつつある東京ですけど、神戸の復興していく様子を学生として、間近で見ていましたから、そういう時に感じた空気ですとか、大変、役立っています。』

『今、東京とか大都会で、直下型の大地震が起きた時に、かなり、地域のコミュニティのあり方とか、阪神大震災当時の神戸とは、大分、違うと思うのですね。あの当時の神戸には、家族単位で住んでいる人が多かったと思うし、地域のコミュニティも残っていたとは思うのですけど、やっぱり、今の東京には、地域にも根ざしていない家族単位で暮らしていない、外国人もたくさんいるという事で、統制が取りづらいのではないかという気がします。』

「お台場アイランドミステリー」の構想は、2年前の今頃、練られました。

伊与原さんは、神通川の川原を歩いて、よく、小説のアイディアを考えると言います。

そこで目にする富山の空が開けた感じで、邪魔するものがないところが、非常に良いと話します。

『小説の中には、極端な無政府主義者、無国籍児、後は、極端に人々の自由を制限しようとする政治家とか、そういう人達が出てくる。それと対立する軸として、主人公がいる訳ですけど。突き詰めて考えると、自由をどう考えるかという事の対立があるのだろうと思って。僕自身が、一番考えさせられたのが、自由とは、自由とは、一体、何だろうという事ですね。』

伊与原さんは、子供の頃から漫画家の藤子不二雄さんの大ファンで、特に、藤子F不二雄さんのSF漫画を愛読し、そのふるさとである高岡に憧れていたそうです。その経験も、作品に反映されているということです。

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