男性の性被害 富山県内でも 男性ならではの苦悩とは
KNB北日本放送 / 2025年2月12日 20時7分
旧ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川元社長による性加害問題をきっかけに知られるようになった男性の性暴力被害は、県内でも訴える人がいます。国内の実態を知ってもらおうと、先月富山市で医師らの研修会が開かれました。そこで語られた男性ならではの苦悩とはー。
性暴力救援センター日赤なごや なごみ・山田浩史副センター長「自宅であったりとか学校ですね、あとは職場、保育園、幼稚園と日常生活を送られている場所でそういった被害が起こっている」
名古屋市のワンストップ支援センターで副センター長を務める泌尿器科医の山田浩史さんです。
先月、富山県医師会と県が主催する研修会で、男性の性被害の実態について講演しました。
「来所された男性被害者の年齢分布を見ると、全体の59.5%を未成年が占める。10歳未満7件のうち最低年齢は2歳。加害者は大半が男性。見ず知らずの人物からの被害はほとんどない。知人であったり顔見知り。あとは職場。実際の親、親族であったり彼女であったり、あるいは大事にされるはずの保育園、幼稚園で先生からということもある」
「男は強い」固定観念にも苦しむ被害
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富山県内で、ワンストップ支援センターに寄せられた男性からの相談は、昨年度172件。
開設以来、毎年1割前後で推移しています。
講演で山田さんは、男性の性暴力被害は特殊な世界の出来事ではなく、隣の部屋で起きているかもしれないことだと指摘します。
「家庭内とか社会生活などで行われている加害が大半なので、被害者が声を上げない限り、潜在化してしまう可能性が非常に高いというのが特徴」
名古屋の支援センターでは、昨年度までに対応した電話相談のうち、男性からの割合は7%余りで富山県と同じ水準です。
電話相談の後、病院を拠点とするセンターを訪れて診察や支援を受ける人の割合は、女性が4割に対して、男性は2割に届きません。
山田さんは、被害者が「男は強い」という固定観念にも苦しめられていると指摘します。
「強いものはそういった力に屈することはないとかですね。こういった先入観があるので被害にあった方が相談に非常に来づらいという一つの原因になっているんじゃないかと」
診療が遅れると体液などの証拠を採取できず、刑事事件としての立件につなげられないといいます。
また、加害者が男性の場合、男性がそばにいるだけで怖くなり、公共交通機関に乗れず、職や地位を失い、PTSD=心的外傷後ストレス障害に悩むなど、影響が長く続きます。
癒えない子供の頃の被害
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富山で被害者支援に取り組む木村なぎさんは、子どもの頃の被害を大人になって相談するケースもあると話します。
性暴力被害ワンストップ支援センターとやま・木村なぎセンター長「(相談した時)『男の子でしょ』と言われた。そう言われたことで「じゃあ自分は男のくせに何もできなかった」と傷を深めて。社会生活が送れなくなってしまっていて。その時の傷つきがなかなか癒えない」
木村さんは、誰にでも起こりうることだと知ってもらい、適切な支援につなげたいと呼びかけます。
「内閣府のデータで6割ぐらいが誰にもどこにも相談していないけれど、一番相談できているのは知人友人。その知人友人になりうる社会の人たちが、性暴力被害は誰もが起こりうることで、それは決して被害者が悪いことではないということだけは知ってほしい。相談を受けたときに、ワンストップの相談窓口をご紹介いただくというのが一番いいなと思う」
性暴力被害にあわないために
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研修会で講演した山田さんは、自宅など密室で行われる性暴力について子どもたちに次のように呼びかけています。
「どんなに親しい人が自分の大切なところを触ってきたり見せてと言ってきたりしても、嫌だと思ったらハッキリ嫌だと言いましょう。ほかの大人の人に助けてと言ってください」
周囲にいる私たち大人も、気付いてあげることが大切です。
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