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2月末終了を前にダイヤルQ2業者が語る「振り込め詐欺」との本当の関係

TABLO / 2014年1月17日 10時0分

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 2014年2月末でダイヤルQ2が終了する。ダイヤルQ2とはインターネットが普及する以前に登場した、NTT(東日本・西日本)の電話を利用したコミュニケーションツールだ。0990で始まる電話番号回線を業者が利用して音声情報を販売。その代金をNTTが電話料金に上乗せして代理徴収するというサービスである。

 このサービスは当初、ニュースなどがメインだったが、次第に成人向けのアダルト音声やテレクラに原型ともいえる「ツーショットダイヤル」の番組が激増し、社会問題化した。

 このシステムを使い、荒稼ぎした連中は多い。彼らはダイヤルQ2終了をどのように感じているのか。黎明期から参入した古参業者の男性(53)から話を聞くことができた。

「今みたいにネットが普及してなかった頃は、"電話"こそがエロの最新メディアだったわけ。混線ダイヤルを探して、今でいうチャットみたいなことをしたり、NTTの伝言ダイヤルでテレクラまがいのこともできた。そこに、金はかかるけど手っ取り早くエロに直結するダイヤルQ2が出てきたから、日本じゅうの男が騒然となったんだな。それに料金はNTTがしっかり取り立ててくれる。これほど簡単に儲けた時期は無かったよ」

 男性は、現在のオレオレ詐欺の原点は、間違いなくダイヤルQ2にあると言う。ダイヤルQ2をきっかけとして日本国内には、グレーな小金持ちが急増した。彼らはその後、出会い系サイトやネットプロバイダ事業、アダルトサイト運営などへ参入していく。だが、これらはまだ真面目なタイプだという。

「ダイヤルQ2に始まって、未払い請求、架空請求、ワンクリック詐欺に移っていくやつも多かった。ノウハウ、資金、人材は大量に詐欺系へ流れてるよ」

 ダイヤルQ2から詐欺へ人材が流出した転機は、1995年から始まった数々の規制だった。ダイヤルQ2業者の中に、詐欺を絡めて荒稼ぎする連中も現れていた頃だったという。

「初めはビジネスも調子良かったけど、その後にユーザーが支払い拒否できるとかで、料金の未収が大きくなってきた。そこで頭のいい奴らは、イラン人が持っていた偽造テレカに目を付けたんだ。大量のイラン人に公衆電話から自分の番組にコールを入れさせて大儲けしていた。当時のテレフォンカードは105度数ではなく、320度数(3000円売り)や540度数(5000円売り)も存在していたんだ。公衆電話機は999度数まで認識できたから、変造テレカも999度数まで技術的に設定していたんだよ。でも、販売設定上ありえない999度数で電話しているイラン人は誰が見ても怪しい。しばらくすると張り込んでいた警察に捕まって、この手は使えなくなった。その後からだよ。真面目に働くより、詐欺のほうが儲かるって考えるやつが増えたのは」

 この男性によると、ダイヤルQ2業界も一時期は低迷していたものの、最近はスマホのアプリと連動したツーショットシステムで売り上げは回復傾向にあったという。だが、ダイヤルQ2は勝手にコンピューターのシステムを変えて海外に接続させたり、少女売春の温床にもなっていたことも事実。NTTの黒い歴史はここで一旦終了する。

Written by 西郷正興

Photo by AF-Photography

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