効き目抜群だけど死亡事故多発!? 「中華バイアグラ」試飲&内部事情リポート

TABLO / 2014年1月12日 14時33分

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 先日アップされた西郷正興氏の記事を読み、私も以前似たような危ない経験をした事を思い出した。(とはいえ麻薬の類ではないが)

 今を去ること10年以上前、複数の知人からほぼ同時に 「中華バイアグラ」 なる精力剤を勧められた。最初に教えられたのは、日本ならばカタカナ表記されるであろう成分を主とした不穏な物で、さすがにそれは恐ろしすぎたので無視したのだが、次に勧められたのは 「漢方で作ったバイアグラだから安心!」 というキャッチコピーが付いた紫色のタブレットだった。

 正直に言うと、漢方だろうと何だろうと中国製の精力剤など死んでも飲みたくはなかったのだが、勧めてきた本人も常用していて副作用はないと言うし、数粒だったらタダであげると言うし、それならばと自分の身体で人体実験してみる覚悟を決めた。

 その 「自称:漢方バイアグラ」 は、通常のバイアグラと効果はほぼ同じだとされ、早い話が 「海綿体に無理やり血を溜めれば勃起が持続すんじゃね?」 という考え方である。したがって、それ自体に催淫効果の類がある訳ではない。あくまで性交の前に服用しておく事で、性的興奮を覚えた際に海綿体にジャンジャカ血が流れて行くという寸法だ。

 肝心の効き目はと言うと、この時に使った漢方バイアグラに関して言えば中々のスグレモノだった。というのも、当時の私はアングラAVメーカーの社員で、日常の業務として「シャバで暮らしていたらまず目にする事はないであろうカタストロフ的なアングラAV」の編集・モザイク掛けを行っていたのだが、その作業中に愚息がついうっかり猛り狂いやがったのである。

 普段であれば明鏡止水と表現すべき無を極めた精神状態で黙々と作業するところなのだが、その日は仕事の合間に受け取ったばかりの漢方バイアグラを1粒飲んでしまっていた。飲んだ時点では何も変化も感じなかったため「まあ中国製なんてこんな物か」と思い込んでいたのだが、その当時の私は不勉強で、バイアグラがいかなるものかをイマイチ理解していなかった。上で説明したように、飲んだだけでは効果が出なくて当たり前なのだ。

 そんな事とはつゆ知らず、掴まされた感にガッカリしながらブラジルから輸入したスカ○ロビデオの編集作業をしていると、モニターに映し出されたモデルの後ろの穴から、褐色の物体と一緒にぎょう虫だか回虫だかがコンニチワ。そのモデルはいつもの事だと言わんばかりに「ワ~オ!」とか何とか言いながら白くて長細い虫を指でちぎる。そんな終末的な映像を見た瞬間に私の愚息もワ~オ! しかも司令塔である私の必死の制止を無視して、愚息はますます強度を増すばかり......。これが仮に軍隊であれば、明らかな命令違反であり、軍法会議ものの失態である。

 皆さんにこの時の私の自己嫌悪の大きさが理解できるだろうか? 同じアングラ物でも、盗撮やニューハーフならばキレイなモデルが出てくる事があるので不名誉には感じない。しかし、この時の私の網膜に刻まれた被写体は「排泄物および虫」 である。それでワ~オ!するとは、日本男児として一生の不覚。世が世ならば即座に「御免!」 と腹を掻っ捌かねばならぬだろう。

 何度も言うように、バイアグラ系の精力剤は「性的興奮自体は自力で得なければならない」 のである。という事は、私は排泄物と虫で自力で性的興奮を得て、その結果ワ~オ!してしまったという事になる。こんな業を背負わされるとは、私は前世で何か悪事を働いたのだろうか?

 兎にも角にも、このような実験結果が出てしまったので、この時に服用した漢方バイアグラには間違いなく効果があったと言える。だがしかし、それから1年ほど経過した頃に、ネットのニュースサイトで背筋の凍る見出しを発見してしまった。

「中国製のバイアグラで死亡事故多発!」

 なんでも、日本に限らず世界各国で中国製バイアグラ(漢方バイアグラ含む) を服用し、意識を失って搬送されるとか、運悪くそのまま亡くなってしまうといった事故が多発し、問題視されていると言うではないか。

 その時の私はAVメーカーを退職し、ジャーナリスト修行をしていた身だったため、俄然興味を持って取材に動いた。 最初に話を聞きに行ったのは、私にケミカルな中華バイアグラを勧めてきた人物である。 彼にアポを取って詳細を聞いてみると......。

ーー以前勧められた中国製のバイアグラについて詳しく聞きたいのですが。 近頃死亡事故が起きていると言うじゃないですか?

「ああ、それは偽物だよ。あの国では何かが流行るとすぐに酷い模倣品を作る輩が現れるから。どうせ紫色のチョークを固めて色だけ合わせたとか、そんな話じゃないの?」

ーーではアナタが何年か前に勧めてきた中国製のバイアグラは品質に問題ないと?

「あれは大っぴらには言えないけど、普段は某大手薬品メーカーの製品を作っている工場があってね、そこの稼働していないラインを使って外国人が現地人を使って作ったんだ。だからバイアグラ自体が持っている副作用はあるけれども、用法を守ったのに人が死ぬなんて事にはならないよ。ところが、粗悪品の中にはわざと極度の低血糖状態にして勃起を維持させるとか、薬事法もへったくれもない無茶な物もある。最悪なのはさっきも言った色付きチョークをタブレット状に固めただけとかいうレベルだけど。そんなもんを体内に入れたら、そりゃ死ぬよね(笑)」

ーーしかし事故が起きた中華バイアグラを調べてみると、一応箱にしっかりと成分が明記されているんですよ。『伟哥』や『万艾可』という商品名で。

「あのさ、チョークを固めてバイアグラだと言い張るような業者が、そんなルールを守ると思うか? そんなもんどこかの正規品の中文の説明書きをまるまるパクっただけに決まってるじゃないか」

ーーでは最初からすべて解ってやっていると?

「あの国って広大すぎて、貧乏人っていうのは個人ではなく、村単位で貧乏だったりするんだよ。運悪くその土地に生まれちゃったら『はい残念でした~』 みたいな。で、何か金の臭いを嗅ぎ付けた人間が、そういう村に『プラント作らない?』みたいに声を掛けるの。プラントと言っても単なる掘っ立て小屋なんだけど。そこで、発案者が言う通りに仕事の欲しい村人達が黙々と単純作業に精を出すと。何か問題が起きたら言い出しっぺだけ逃げて村ごと使い捨てるんだ。そういう裏側があるから、正規品が10回分で¥6,000くらいするとしたら、同じ量で¥1,500なんて格安の商品が、中華系の輸入問屋を通じて出回るんだよ」

 このような現地の事情を教えてくれたのは有り難かったのだが、この男は続けてこんな話を持ち出して来た。

「ところでさ、そういう詐欺商品じゃないED治療薬を中国で大々的に製造するルートがあるんだけど、一枚噛まないか? いくらか出資してくれたら、俺が一緒に上海に連れて行って向こうの人間を紹介してやるよ。そしたら取材にもなるし、いい話じゃない?」

 あまりの急展開だったため、この時は 「考えておきます」とだけ伝えて帰ったのだが、後日この話を当時お世話になっていた梨元勝氏に振ってみると、「いいじゃない! 荒井ちゃん行って来なよ! お金出してくれる媒体はボクが見付けてあげるから! そういう独占ネタは大事にした方がいいよ!」 と、全力で背中を押されてしまった。本音を言えば「それは少し危ないねえ」と止めて欲しかったのに......。

 ところが、梨さんが乗り気ならばと再度連絡を入れてみたところ、直留守になってしまって出てくれない。周囲の人間に聞いてみたところ、どうも私が胡散臭がってウジウジしている間に、向こうの話が進んで上海(?)に旅立ってしまったようなのだ。何があったのかは知らないが、それ以降彼とは連絡が付かないままである。悪いヤツではなかったので、せめて生きていて欲しいなと願うばかりだ。

Written by 荒井禎雄

Photo by xn3ctz

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