妻・政代さんが記者会見 「セブン-イレブン東日本橋1丁目店オーナー失踪事件」 血も涙もない労働環境

TABLO / 2019年4月22日 9時56分


【コンビニオーナー失踪閉店事件】オーナー夫人、顧問弁護士ら 記者会見(YouTubeから)

先日閉店した「セブン–イレブン東日本橋1丁目店」のオーナー齋藤敏雄さんの妻、政代さんが記者会見で語られた内容はまさに悲惨としか言い様のないものでした。

「ドミナント戦略」によって減り続ける売り上げ、人手不足から休みも取れない生活、長男の自殺、「死ぬために」失踪したオーナー…、政代さんの話を聞いて怒りを感じなかった人はいないと思います。

状況が悪化していく中でも必死にもがく家族に対してセブンイレブン本部の取った行動はあまりにも冷酷なものでした。
「セブンイレブンは血も涙もない、とんでもない会社」
そう政代さんが言うのも頷けます。

少し前にも、人手不足から24時間営業を継続できないという契約店舗に対して違約金をちらつかせた恫喝まがいの態度を取っていた、というセブンイレブンの実態が問題になったばかりです。

コンビニ業界の人を人とも思わない、契約を盾にして弱者を食い物にしていくやり方は今に始まったことではありません。

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毎週、月曜日早朝は万引きの日。
そう決めて、常習的に同じコンビニで万引きを繰り返していた男の裁判を昨年の初めに傍聴しました。
防犯カメラから犯行が発覚し逮捕された男は被害店の元店長でした。

「以前、店長をしていた時はずっと万引きの被害に悩まされていました」

と語る彼を万引きに走らせた原因は借金でした。

「店をやっていくのにお金が必要で…売り上げをあげるのに自分のお金を使わなければならないようになってしまいました。もちろん会社には相談したんですけど、全然わかってもらえなくて…」

彼の借金の総額は数百万円もの額です。退職後、再就職先も見つからず生活に困窮した彼は、最も熟知していて捕まるリスクが低いと思われる以前の自分の職場での万引きに手を染めるようになりました。

「月曜日早朝は客が最も少なくて、アルバイトも一人勤務だとわかっていたので、いつもこの時間に万引きをしていました」

盗んでいたのは主に食べ物です。店の運営のために自分のお金まで使っていた彼は、数年後自分の食べるものさえ困窮するようになると予想していたでしょうか?

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コンビニの売上金を盗んで失踪していた男の窃盗の裁判も傍聴しました。彼は事件時、被害店の店長をしていました。

店の売上が上がらないことを、「エリアマネージャー」という立場の者に責められ続けていました。ある日、エリアマネージャーにいつものように責められている時に

「これ以上ダメなようならクビね」

と言われました。
どう頑張っても売上があがる見通しは立ちませんでした。店長はこの時点で50歳を過ぎていました。再就職先のあてもありません。エリアマネージャーに言われた「クビね」の一言は、店長を自暴自棄にさせるには十分なものでした。

「どうせクビになるくらいならいっそ…」

こうして彼の人生もまた狂わされてしまいました。

上記の2つの裁判の舞台になったのはいずれもセブンイレブンではありません。別のコンビニチェーンの話です。

事件にまでなってしまうようなケースは少ないかもしれませんが、おそらく似たような話は多くのコンビニで現在進行形で起きていると思います。コンビニだけでなく他の業界でも起きています。

今回、政代さんの会見ではセブンイレブンが槍玉に挙げられていますが、セブンイレブンという一つの企業だけを責めて終わる話ではありません。

今問われているのは、社会のあり方そのものです。

少し話はそれますが、昨年「奴隷」そのものの扱いを受けている技能実習生がいることが問題になりました。技能実習生だけではなく「偽装留学生」の問題もあります。

昨年、日本国内で失踪した外国人の人数は約7000人です。

セブンイレブンも含め、あまりにも弱者を食い物にするシステムが多すぎます。もう終わらせるべきです。人の不幸の上で成り立つ便利さや繁栄など、あってはならないのですから。(取材・文◎鈴木孔明)

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