政治評論家・岩見隆夫さん死去...あの鋭い眼光が忘れられない by久田将義
TABLO / 2014年1月18日 21時0分
僕は2007年頃に選択出版に入社し「月刊選択」の編集次長職にあった。月刊選択は会員制高級情報誌を謳っており、日本を動かすインテリジェンス層は三万人とし、『三万人の為の情報誌』を看板文句にしている月刊誌である。
記事の中身は政治、経済、国際、社会に分類され、ゴリゴリの硬派記事で構成。新聞社の幹部クラスや官僚が匿名で執筆していた。一時は「表の噂の真相、裏の選択」と雑誌業界では言われた程だ。読者は政治家、裁判官、検察官などが多く、僕が議員会館を回っていた時は大概の議員が購読をしていた。そういう雑誌である。
「実話ナックルズ」からそのような雑誌である「選択」への移行は、僕にとってチャレンジだった。主に、デスク作業と政治、企業のクレーム対応をしていたため、政治家や一部上場企業の広報の人間たちとの折衝は勉強になった。
そして、執筆陣である評論家や新聞記者たちとの仕事も、である。連載陣は実名で書いている人もいるが匿名で書いている人もいる。
実は、岩見隆夫さんも匿名で連載していた。匿名と言っても、分かる人には分かるような内容で、一度世界一周の旅に出た時など、原稿の内容が、日記のようになっていたので丸わかりだと、当時の上司であったE編集長と苦笑しながら内容を読んでいたものだ。岩見さんの物事に囚われない性格がこの連載に表れていたと思う。
また、選択出版湯浅オーナーも岩見さんを買っており、「彼こそ真のジャーナリストだ」という意味の事を言っていたはずだ。その信頼感は誌面にも現れていた。巻頭一ページの「選択」が注目する人のインタビューの人選では、「困った時の岩見さん」という印象がある。編集長が「この人はどうでしょう」と湯浅オーナーにプレゼンして、はねられる時ある。熟考の末、「岩見さんで行こう」というパターンが僕が在籍していた時で二回はあったと思う。
湯浅オーナーとは、いつも四谷の行きつけの店で飲んでいた印象がある。僕も次長という事で、一度同席させて頂いたが午後の浅い時間だと言うのに、すっかり酔いが回った岩見さんは、鋭い目で僕を見て「これからは選択出版頼むぞ」か「がんばれよ」と言ったという記憶がある。酔眼ながら、その目の鋭さは今も覚えている。
しかし、僕はしばらくして選択出版を退職し週刊朝日に契約社員として席を置く事になってしまうのだが。あの眼光は今でも忘れられない。合掌。
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