治療による効果は「全く無かった」と法廷で語る被告 女性を恐怖に陥れる痴漢・性犯罪者は治らないのか?
TABLO / 2019年4月24日 12時34分
痴漢などの性犯罪、そして万引き、非常に再犯率が高いとされている犯罪です。金澤幸一(仮名、裁判当時58歳)はこの2つを幾度となく繰り返してきました。電車内での痴漢で前科3犯、公然わいせつが4犯、そして万引き前科を3犯有していました。もちろん服役も7回経験しています。
関連記事:埼京線で女子高生を陵辱した男の正体が裁判で明らかに 10年前も性犯罪で服役していた過去 | TABLO
今回傍聴したのは電車内での痴漢行為による迷惑防止条例違反の裁判でした。彼にとっては4回目の痴漢での逮捕で、他の罪状も含めれば11回目の逮捕です。前回の痴漢での裁判で6ヶ月の実刑判決を受けていた彼は、出所してからわずか半年足らずで再び再犯を犯し、法廷に戻ってくることになってしまいました。
犯行は通勤ラッシュで混雑している、平日の総武線車内で行われました。
「女性の後ろ姿を見ていたらムラムラしてきて、気づいたら手を出してしまっていました」
という理由で事件当時18歳の女性のお尻を触ったという、短絡的な犯行でした。
「以前捕まった時の痴漢についてはどういうう状況だったかは忘れてしまいました」
と話していましたが、以前逮捕された3回の痴漢はいずれも通勤ラッシュ時に女性のお尻を触った、というものでした。同じような犯行ばかりを繰り返していたのです。
関連記事:こんなの誰にも止められない! 電車内で遭遇した完全にどうかしている痴漢 関わっちゃダメだ!! | TABLO
今回の犯行当時、無職だった彼には通勤ラッシュの時間に電車に乗る理由はありませんでした。
「ただなんとなく出かけてみただけ」
と、その日に電車に乗っていた理由については話していました。
「痴漢をするために電車に乗ったわけではありません」
という主張ですが、犯行当日に彼は何度も電車を乗り換えて同じような場所を行ったり来たりしていたことが証拠から明らかになっています。
彼は否定していますが、痴漢をする相手を探していたとしか思えない行為です。
「女性の気持ちは何も考えていませんでした。自分勝手な気持ちで突っ走ってしまいました」
と反省の弁を述べてはいました。女性の気持ちを考えていなかった、というよりは彼には女性の気持ちを考えるということが出来なかったのかもしれません。次のような供述もしています。
「今まで、女性と交際したことはありません」
彼は痴漢モノのAVが好きだとも言っていました。痴漢をされている女性がはじめは嫌がっていたのにだんだん悦びを感じてくる…といったようなストーリーのものです。
「そういうAVみたいな話、現実にあると思う? 痴漢されて喜ぶ女性って実際にいると思う?」
と弁護人に問いただされた際には、
「頭の中でAVと現実を混同してしまっていたと思います…」
と答えていました。
参考記事:え? まさか電車内で?? 中年男性がとった思わぬ行動が大ひんしゅく 「昭和時代によく見た!」光景とは | TABLO
性犯罪常習者について「刑罰よりも治療を」という意見を言う人がいます。性犯罪を繰り返してしまうのは病気のせいだ、という考え方です。これが間違っていると否定する気はありませんが、かといって肯定も出来ません。
今回傍聴した彼は性犯罪を繰り返してしまうことに悩み、病院に通っていた時期もありました。
「月に3、4回は病院に通っていました。カウンセリングを受けたり、興奮を抑えるクスリを貰って飲んだりしていました」
しかし、彼は再犯を犯してしまいました。
「病院に通って何かが改善したような実感は全くありません。効果はありませんでした。正直、失望しました」
と、病院についての感想を述べていました。彼自身の治療に取り組む姿勢にもおそらくかなり問題があると思われますが、治療さえ受ければ解決するというような簡単なものではないのです。
彼は出所後には再び病院に通って治療することを約束していました。
参考記事:股間にカメラのおじさんはフェイク写真だった!? ただ電車の座席に座っていても痴漢にされる時代 | TABLO
裁判官は、
「初めて痴漢で検挙されたのが20年前、それから20年間ずっと自分をコントロールできなかったわけですよね。そんな単純な話じゃないと思うけど、20年は病院に通い続けるくらいのつもりでいて下さいね」
と最後に説諭していました。
今回の求刑は懲役10ヶ月。20年痴漢を繰り返してきた58歳の彼が、この期間の矯正教育で今度こそ変わることができるのでしょうか。(取材・文◎鈴木孔明)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
留置場で「レクサスを買わないか」男が50万円騙し取った事件。被告人が語った“まさかの言い訳”
日刊SPA! / 2024年5月6日 8時53分
-
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン / 2024年4月27日 16時15分
-
「被害女性は震えて泣いていた」埼京線の悪質すぎる痴漢の実態
日刊SPA! / 2024年4月19日 8時49分
-
73歳“スリのたえちゃん”の「窃盗事件裁判」で明かされた悪質な犯行手口。娘が涙ながらに語った悲痛な思い
日刊SPA! / 2024年4月13日 8時54分
-
子煩悩な30代男性は、なぜ連続性犯罪者になったのか…元熱血教師の父親が「私の育て方が悪い」と悔いたワケ
プレジデントオンライン / 2024年4月11日 11時15分
ランキング
-
1プベルル酸上回る量の物質を検出 紅こうじ、被害主因の特定難航か
共同通信 / 2024年5月7日 22時10分
-
2那須・夫婦遺体遺棄事件で急展開 長女の内縁“イケイケ夫”が企んだ「会社乗っ取り計画」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月8日 11時2分
-
3自民党本部、派閥「氷代」肩代わり…不記載議員も、「不当な二重取り」批判
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年5月7日 21時2分
-
4「体を傷だらけにしてやろうと」西新宿のマンションで50代男が20代女性をナイフで刺す 女性は死亡 殺人容疑に切り替え捜査の方針 警視庁
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月8日 7時29分
-
5【解説】娘の内縁の夫と知人を逮捕 事件主導か… 元神奈川県警捜査一課長に聞く
日テレNEWS NNN / 2024年5月7日 21時13分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください