野村證券が1000億円の赤字転落!? そりゃそうでしょ! 圧倒的に安く、商品数も桁違いのネット証券がいま激アツ!!
TABLO / 2019年5月2日 12時51分
証券業界最大手の野村ホールディングスといえば、最近は1004億円の赤字転落で世間をにぎわせました。また、野村のほかに〝5大証券〟と呼ばれる大和証券グループ本社、SMBC日興証券、三菱UFJ証券HD、みずほ証券も、最終利益は前年比と比べて大幅に減らしていて、大手証券会社は軒並み苦境にあえいでいることがわかります。
野村ホールディングスの大赤字は海外事業の苦境に加えて、国内証券リテールの低迷も理由のひとつだそうです。このリテールとは「個人向け」の事業なんですが、ぶっちゃけ「そりゃそうだろ」というのが筆者の個人的かつ正直な感想でした。だって、個人で投資している人間としては、どう考えてもネット証券のほうが魅力的ですから。もちろん、大手証券会社もネットサービスを提供しているのですが、どうしても実店舗を同時に運営していることもあって、取引にかかるコストはネット証券よりも割高になってしまうんです。
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まず、表1は野村証券と楽天証券の取引手数料を比較したものです。
並べてみると一目瞭然なのですが、圧倒的にネット証券の楽天証券のほうが安いでしょう。個人投資家の多くは100万円以下の約定代金がメインになると思うのですが、ほとんどの価格帯で倍近く手数料が違うじゃん。約定代金が大きくなるとさらに差は開いていき、5000万円超だと約80倍ですよ…。しかも野村證券は1日定額制(1回の約定代金ではなく、1日の取引金額合計で手数料が決まるシステム)もないし、デイトレードなんて、とてもできねーじゃんという話です。
また、野村証券は電話での取引にも対応しているんですが、最低約定金額の「~20万円/1954円」、最大だと「5000万円超/20万5715円」です。改めて調べてみて「高ッ!」と呟いてしまいました。
もちろん、ネット証券に比べると「顔の見える相手と取引できる」とか、「企業規模が大きくて金融機関としての安定性がある」というメリットはあるんでしょうけど、手数料を考えると「さすがに使えねぇわ」というのが正直なところ。務めている企業の持株会の管理窓口が大手証券会社という流れで口座を作ったみたいな理由がなければ、普通はネット証券を選ぶよなと思います。
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あと、筆者は最近の投資ブームの流れで、ちょこちょこと「お金」をテーマにした記事を手掛けてきました。そのなかで「つみたてNISA」を扱うことも多いんですけど、大抵は投資ビギナー向けということで「どの金融機関で始める?」みたいなコーナーを設けるんです。そのときにいろんな金融機関を調べてみましたが、大手証券会社で購入できるつみたてNISA対象商品数は、ネット証券に比べて圧倒的に少ないことがわかりました。
表2を見ていただければわかると思いますが、
ネット証券は大抵100本以上の商品をそろえているのに対して、大手証券会社は数本から十数本程度。ビギナーにしてみれば「少ないから選ぶのがラクでいいじゃん」と思うかもしれませんが、投資のプロたちに取材をしてオススメ商品を聞き出して掲載しているのに、大手証券会社ではそれらを買えない。となれば、「大手証券会社がオススメ!」とは書けねぇよと。投資は「自分で考える」ということが大事なのに、取捨選択の幅が狭すぎるのはどうなのかと。証券業界をけん引する大企業なのに、なんで対象商品数が少ないんだよと突っ込みたくなるじゃないですか。
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端的に言うと、つみたてNISAは口座開設手数料も管理手数料も、取扱商品の購入・解約の手数料も無料と決められています。また、取扱商品の信託報酬(保有している間に必要となる手数料)も低水準という決まりがあるため、顧客に優しい反面、金融機関にとっては儲からない制度というわけです。
これからは筆者個人の憶測ですが、つみたてNISAの商品を充実させればさせるほど、手数料が高くて自分たちが儲かる金融商品が売れなくなりそうじゃないですか。とすれば、顧客に有利(自分たちが不利)な制度では消極的というか、やりたくない。その姿勢というか、思いが商品数に表れているんじゃないかと。邪推なんですけど、大手証券会社やメガバンクなんかは、軒並みつみたてNISAの商品ラインナップは少ないし、つみたてNISA自体を取り扱わないところも多いんです。
NISAやiDeCoなどが世間に浸透して「投資」のすそ野が広がっている現代。金融機関も提供されるサービスも多様化しているなか、大手証券会社のメリットはどんどん少なくなっているように思えます。このまま〝旧態依然〟の状況を続けていれば、証券業界の主導権をネット証券に譲り渡す日もそう遠くないのかもしれません。(文◎百園雷太)
【編集部注】この記事は、執筆者の個人的見解に過ぎず、
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