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「花を持たせたい」理由で居座っている? 麻生太郎大臣に対する財務省の「思いやり」|プチ鹿島

TABLO / 2019年5月13日 10時50分

麻生太郎オフィシャルサイトより

新聞を読んでいると唐突に、そしてさり気なく「答え」が書かれていることがある。それにギョッとすることがある。5月10日の読売新聞朝刊に『令和新札 麻生氏に花』という記事があった。

え? と思って読んでみると、

《戦後最長の財務相に花を持たせたい――。財務省幹部は改刷の動機について、そう口をそろえる。麻生の通算在任期間は18年2月に宮沢喜一の1874日を抜いて以降、記録を更新中だ。ともすれば積極財政派の声が優勢になる安倍内閣にあって、消費増税の重要性を説きつづけた麻生は財務省の「守護神」といえる。その麻生に報いることが財務官僚の改刷の狙いだった。》

参考記事:キャッシュレス化に遅れを取っているのに紙幣を刷新!? だったら硬貨をそろそろ廃止にしませんか? | TABLO

この計画は2018年初めからだったという。しかし森友学園問題でスキャンダルの主役となった財務省は改刷のタイミングを切り出せない状況になった。なので今回の改刷プロジェクトの成就には「政治への配慮と、一連の不祥事で失墜した権威を回復させたいという思惑もちらつく」と記事は結ばれていた。

いつも消費増税を主張してくれた麻生大臣への「感謝」と財務省自身の「失地回復」が目的だという紙幣刷新。ある程度予想していたことの裏付け記事だったが、しかし私がずっと気になっていたのはその「発表の日」だ。

新紙幣のデザインが発表されたのは4月9日(火曜)だった。お祝いムードに乗るなら新天皇即位の5月以降に発表するほうが効果的。そのほうが参院選も近い。しかし4月9日だった。

ここで思い出したいのは福岡県知事選で麻生氏が推した候補が4月7日(日曜)に敗れたことだ。

翌日の新聞では『麻生氏 求心力低下も』(産経新聞)などと書かれた。負けた選挙から2日後に麻生財務大臣は華々しく新紙幣デザインを発表したことになる。

4月9日に公表した理由は毎日新聞などにスクープされたから「慌てて」その日に発表したという形にもみえた。

しかし今回(5月10日)の読売新聞を読むと、

《麻生は改刷を決断し、安倍に報告した。(略)大きな政治イベントとなる新札の発表日は、新元号の発表から1週間を経た4月9日に定まった。》

とある。スクープうんぬんは関係なく、そもそも最初から発表の日は「4月9日」に決まっていたらしい。

念のためにそれ以前の新聞を読みなおしてみると、

『年明けになると麻生氏は首相との擦り合わせに本格的に乗りだした』という一節が4月10日の日本経済新聞にあった。

このあと「麻生は改刷を決断し、安倍に報告」して発表日は「新元号の発表から1週間を経た4月9日に定まった」(読売5月10日)というのだから、「4月9日発表」は今年の年明け以降に決まったことがわかる。

さて、ここで気になるもう一つのポイントは”福岡知事選で麻生氏が推す候補の劣勢”はすでに今年の初めからささやかれていたことである。

それを考えると「麻生氏に花を持たせる」の意味が「戦後最長の財務相だから」や「いつも消費増税を主張してくれた」だけでなく「福岡知事選のあとの失地回復」の意味も組み込まれていた可能性はないだろうか。たとえ負けてもすぐに華々しい話題の主役になれるという。

今回の記事、読売は『[インサイド財務省]<番外編>』という冠がついた記事だった。あくまでふつうの記事。
しかし今回の記事を受けて「4月9日発表」や「麻生に花を持たせる」の意味にもっとこだわる、他紙の下世話な記事も待ちたいのである。(文◎プチ鹿島 連載『余計な下世話』)


あわせて読む:消費税増税に合わせて「キャッシュレス決済ポイント還元」がスタート 他人と差をつけるおトクな買い方 | TABLO

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