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岩崎と宅間の共通点

TABLO / 2019年5月30日 11時43分

宅間の生家前を通り過ぎる親子連れ(筆者撮影)

2019年5月28日、JR登戸駅近くでカリタス小学校の子どたち19人が次々と刺されるという事件が発生した。小学六年生の女児と見送りに来ていた別の小学生の保護者である小山智史さんが犠牲となった。容疑者の岩崎隆一は事件後、自ら刃物で首を刺し自殺を遂げたことから、その動機は容疑者の口から語られる機会は永遠に無くなってしまった。

参考記事:「子どもたちへのインタビュー控えて」 カリタス小学校校長の言葉を無視したワイドショー|久田将義 | TABLO

岩崎容疑者の自宅は、現場から4キロほど離れた川崎市麻生区。幼少期に両親が離婚したこともあり、伯父と伯母の三人で暮らしていた。近隣住民によれば、深夜に家に出入りする姿を見かけることはあったが、仕事をしている気配はなかったという。さらには、近所の男性に葉っぱが目に入ったなどの言いがかりをつけて、喧嘩になるなど、変わり者という印象を持たれていた。

近隣住民ばかりでなく、小中学校時代の同級生によれば、怒り出すと手がつけられなくなり、同級生を鉛筆で刺すなど、感情のコントロールができない一面があったという。同級生の中には、事件を起こしたことに驚かないという証言をする者もいた。

岩崎容疑者への評判、小学生を襲ったという行為から、すでにメディアでも報じられているが、2001年に発生した宅間守死刑囚による池田小襲撃事件を思い浮かべた人も少なくないだろう。

私は、池田小襲撃事件後、宅間守が暮らした兵庫県伊丹市を取材したことがあった。

中学校時代の宅間を知る人物はこう語った。

「やっぱアイツだと思ったよ。奴を知ってる人間なら誰も驚かんな、やってもおかしくないわ」

この証言は奇しくも岩崎容疑者の同級生の証言と重なるのだった。手のつけられないワルだった宅間は、この地方の方言で「ゴンタ」と呼ばれた。

高校中退後、自衛隊に入隊するが、素行不良で除隊となった。その後も数々の職場を転々とするが、どれひとつ長続きしなかった。それどころか、不動産会社に勤めている時には、合鍵を使って、部屋に侵入し強姦事件を起こすなど、凶悪事件を積み重ね、反社会的な行為を繰り返した。

宅間は、逮捕後の精神鑑定において、情性欠如という鑑定を受けている。これが意味することは、人間として本来持っているはずの『他者への優しさや弱き者を慈しむという気持ち』が欠如しているということだ。

抵抗するする力を持たない、子供たちに刃を向けるという行為、さらには裁判において遺族に暴言を吐き、最後まで謝罪の気持ちを表さなかったことなどが、情性の欠如を物語っている。

情性欠如に加えて宅間の場合は、仕事を転々とするなど、社会に適応できず、世の中のエリートへのコンプレックスから医師やパイロットを名乗って、女性を物色するなど、歪んだ感情を増幅させていった。

岩崎容疑者に関する情報はこれから流れてくると思うが、小学生に刃を向けるなど、宅間と同じように情性の欠如が感じられる。さらに今現在の状況で判断する限り、家に引きこもるような生活をしていたことからも社会に適応していたとは言い難い。

現在日本では、職につかず親に養われているニートが200万人いるという。今後、経済が冷え込んでいけば、正社員になるのはますます難しくなり、景気の良かった時代に両親が蓄えた財産を当てにし暮らしていく者は、増え続けていくことになる。

社会に適応できない者が、世の中に対して不満を抱え、暴発することは、今後無くなることはない。最早、老人や子供といった弱者を狙った事件は、今後日本のどこでも頻繁に起きる可能性があるということを今回の事件は教訓として、伝えているように思えてならない。(写真・文◎八木澤高明)

あわせて読む:過去のシリアルキラーに当てはまらない座間九人殺人事件白石隆浩容疑者の正体 | TABLO

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