カラテカ入江氏の芸能人生を奪った暴力団排除条例とは フライデー爆弾“第二の矢”が恐ろしい
TABLO / 2019年6月8日 11時8分
元カラテカ入江慎也氏が解雇され、実質彼の芸能生命は奪われたも同然と言ってよいでしょう。
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大麻取締法や覚醒剤取締法で逮捕され復活した芸能人は、有名どころでは美川憲一や長渕剛などがいますが、暴排条例で逮捕された例は寡聞にして聞きません。
島田紳助氏は暴排条例が施行されてすぐに、引退会見を余儀なくされました。
吉本興業は超大物だった島田紳助氏をすぐに「解雇」したように、暴排条例を非常に警戒しています。と、いうより芸能界全体が恐れています。
2011年に全国に暴排条例が施行され、密接交際(金銭の授受など)をしていた芸能人たちや芸能事務所はこの年から、ヤクザとの付き合いに対して、非常に気を遣うことになります。
従って、例えばVシネマ業界は大変な痛手を受けました。暴排条例施行以前はのVシネは、たまにエキストラで現役の組員が出演したりしていました。
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もちろん、吉本興業だけではありません。芸能事務所の「清浄化」が一斉に行われました。昔の名作映画「仁義なき戦い」の世界は今は幻です。
暴排条例はいたるところに影響を与えました。出版界も然りです。
「実話時代」のようなヤクザ専門誌は、内容を変えるよう余儀なくされるか、廃刊に追い込まれました。僕の聞いている範囲では、銀行が版元に融資を渋るからという理由が最も大きいということでした。これは出版社にとっては痛手です。出版不況の現今、銀行が手を引いたらその会社は持ちません。では、ヤクザ雑誌をなくすしか術はないということになります。
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さて、カラテカ入江慎也氏が付き合いをしていた「会社」は実質、振込詐欺グループだった訳です。
振込詐欺グループは現在は準暴力団で構成されているケースが、ほとんどと見られています。準暴力団は、暴排条例施行によって出来た概念であり名称です。警察庁が2013年に関東連合、怒羅権、太田連合を「準暴力団と規定する」と発表。国家公安委員会が広域指定暴力団と「指定」するのではなく、一行政機関の警察が規定出来るという点で大きな違いがあります。
暴排条例の施行は「人権的にどうなのか」という問題と「誰がヤクザか分かりにくくなった」為、取り締まりにくくなったという大きな課題を残しましたが、それはまた別に論じます。
準暴力団はおおざっぱに言ってしまえば、
「暴走族OBで構成され、ヤクザに準ずる集団」です。日本のアウトロー社会のてっぺんはヤクザで、これは恐らく日本においては変わらないピラミッドでしょう。
もし入江氏と付き合いのあった詐欺グループが準暴力団だとして、また、件の忘年会で宮迫博之、田村亮、レイザーラモンHG、福島善成、ザブングル各氏にギャランティが支払われていたとしたら、上記の状態(準暴力団の背後にある暴力団の存在)から言って、暴排条例に抵触していると警察が見てもおかしくはありません。
入江氏はテレビ番組で「全て自分が悪い。同気後輩や先輩を誘ったのも自分が悪い」とコメントしています。また、ワイドショーの論調も入江氏を「主犯格扱い」し、宮迫氏を初めとする他の芸能人たちは、誘われて無自覚に出席してしまったとエクスキューズをつけています。ギャラも貰っていない、と。
あたかも入江氏が全て悪いという論調が強いように感じました。
ノーギャラで出演したとのことですが、僕はメディアの忘年会に何回か出席し、芸人やタレントが芸やトークを披露したパーティに何回も見ています。この場合、仕事として、正常にギャラは支払われていると思います。
入江氏と知己の詐欺グループが普通の会社だと入江氏や宮迫氏らは思っていたと彼らは主張しています。では、ギャラは通常と同様に受けとるのではないでしょうか。
受け取らないのは、事務所を通さない「闇営業だから」というのはイマイチ説得力に欠けます。吉本ほどの大事務所なら、恐らく直で営業(闇営業だが言い方が良くない)している人もいると考えられるのではないでしょうか。
今回は「フライデー」が爆弾を落としました。潔白を主張する芸人たちに追撃第二弾があるのか、注視していきたいと思います。(文◎久田将義)
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