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芸人の私が考える「闇営業」とは 今は芸人がコンプライアンスを守る時代に|プチ鹿島

TABLO / 2019年6月11日 10時8分

「見えない芸人」はすごいのである(写真はイメージです)

「闇営業」という言葉が飛び交う昨今。闇営業について考えることは芸人とは何か? を考えることにも通じる。

参考記事:「闇営業」とは何か? カラテカ入江と特殊詐欺グループの接点は? 宮迫博之・田村亮も巻き添えに

芸人は「世の中の外に存在する立場」と考えれば、そもそも営業に闇も光もない。

仕事をくれる人はありがたい「お旦」(スポンサー)であり、お座敷がかかればどこにでも駆けつける。芸人はエライ人を茶化してこそという考えもあるが、権力者の前で道化をして可愛がられるのも芸人のしたたかさだ。

ここで言う「権力者」が大げさなら、どこかの「社長さん」に置き換えてもいい。社長をヨイショし、楽しませる。気持ちよくさせる。それでお小遣いをもらいご飯も食べさせてもらう。観客に向けるエネルギーを「1人」にしぼって実践する。

座持ちの良さがあれば公式の仕事がなくても食いっぱぐれない。なんならよっぽど旨いものを食べてるし、派手な世界を知っている。そんな芸人を見たりエネルギッシュな“活動”の話を聞くと、たぶんこれが本来の芸人の姿なんだろうと秘かに思ってきた。

なぜこんなことを書くかと言えば私はそういう芸人を尊敬してきたからだ。タフだなぁと。

私は社長を見つけたり、ヨイショしたり、そういうことはめんどくさくてやらなかった。いや、できなかった。そんなことをするくらいならアルバイトをすると言ってきた。実際、私の30代はバイトだらけだった。

これは決して己の清廉さの自慢ではなく、芸人としての「甲斐性なし」の話をしている。芸人のバイトも闇営業なのである。

芸人の生き方に関して考えると、最近もう一つのニュースも思い浮かぶ。

先日、金融庁の審議会が「老後は年金以外に2000万円必要」と報告して騒ぎになった。それぞれの「自助」努力が必要というのだ。投資か何かをして蓄えておけと。

参考記事:金融庁「年金ムリだから自分で2千万円貯金して」が大炎上 ホームレスにならない為にまずやるべきこと | TABLO

ずいぶんといい加減な話だが、これって芸人に置き換えれば「事務所だけに頼らず自分で仕事を見つける」という意味と同じかもしれない。その正しい意味は「自分の可能性を開拓&プレゼンしてさらに仕事をひろげていく」だ。そうすれば事務所も喜んでくれる。

しかし芸人によっては「事務所だけに頼らず自分で仕事を見つける」は、そのまま「独自に人脈を開拓して食い扶持を確保する」という意味になる人もいる。その究極が闇営業なのかもしれない。

何度も言うがそのタフさは尊敬する。芸人ならではの「自助努力」だと思う。ただ、冒頭の話に戻ると現在の芸人の立場は幸か不幸か「世の中の外に存在する立場」ではない。むしろ世の真ん中にいる人も少なくない。大企業のCMに出演してる人もいる。

こうなるともう、本来はグレーゾーンの世界の住人(のはずだった)芸人こそコンプライアンスを遵守しなければならないという逆説となる。

こういう話をすると昔の芸人は破天荒でよかった、と嘆く芸人マニアの方もいるだろう。しかし今の状況を見るとそうだ。というか事務所に所属している時点で破天荒でもなければ無頼派でもない。私はそう思う。

芸人とは何か?
世の中での立ち位置はどう変化したのか?

「闇営業」という言葉をきっかけにあらためて考えた今日この頃でした。(文◎プチ鹿島 連載『余計な下世話』)

あわせて読む:ザ・武勇伝! もう令和だし時効だよね? ギョーテン理由でCMを降板してしまった芸能人たち

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